Kuriyama Innovation Squareでは、2026年6月にオープンしたショールームで、自社グループの歴史や事業内容などを紹介する案内役として、テレプレゼンスAIロボット「temi」を活用しています。

新設ショールームの開設にあたり、来訪者に対して展示内容を分かりやすく、正確に伝える案内体制が求められていました。特に、海外からの来訪者を想定した多言語対応や、誰が立ち会っても案内品質がぶれない運用、ショールーム全体を順序立てて案内できる導線設計が重要なポイントでした。

temiの導入により、ショールーム内を移動しながら、展示コーナーを順路通りに案内する仕組みを構築。安定した案内品質、多言語対応、導線誘導を組み合わせることで、来訪者に伝えるべき情報を正確に届けるショールーム運用を実現しています。

本記事では、Kuriyama Innovation Squareでのtemi活用について、クリヤマホールディングス株式会社 デジタル戦略室のご担当者様にお話を伺いました。

クリヤマホールディングス株式会社について

1939年創業、ゴム・合成樹脂製品を中心に事業を展開する企業グループの持株会社。

産業用ホース、建機・農機向け部品、スポーツ施設や駅・商業施設向け床材など、暮らしのさまざまな場面を支える製品を手がけています。米国・カナダ・オランダ・オーストラリアなど海外にも中核事業会社を置き、アジア・北米・欧州・南米・オセアニアを網羅するグローバル経営を推進。

今回temiを導入したKuriyama Innovation Squareは、こうしたグループの事業と歴史を紹介する新設ショールームです。
公式サイト:https://www.kuriyama-holdings.com/

1. temiを知ったきっかけ・選定理由

「移動しながら案内できる」ことが、新しいショールーム案内に合っていた

当時、社内ではデジタル戦略室メンバーを中心に、ショールーム案内の方法を検討していました。複数の案内手段を比較しながら、来訪者にとって分かりやすく、運用側の負担も抑えられる方法を探していました。

その中でtemiに魅力を感じたのは、実際にショールーム内を移動しながら案内できる点です。掲示物や人による口頭説明だけではなく、来訪者と一緒に展示エリアを回りながら説明できるため、より直感的で分かりやすい案内ができると考えました。

今回のショールームでは、展示ごとに情報を提供するだけでなく、ショールーム全体をどの順番で回り、どの流れで理解してもらうかも重要でした。当初は、ショールーム内をどの順番で案内するのかがまだ明確に決まっていなかったため、案内の流れそのものを設計できる手段が求められていました。

temiであれば、入口で画面にタッチしてもらうだけで、あとは設定したルートに沿って順番通りに案内を進めることができます。来訪者自身のペースを保ちながらも、伝えるべき情報を自然な流れで届けられる点が、導入の後押しとなりました。

temiに期待していた役割は、説明や誘導の品質を高い水準で安定させること、そして多言語対応です。海外からのお客様が来訪されることは当初から想定されており、多言語対応は必須の要件でした。社内には外国語で対応できる人材が限られているため、「誰が案内するのか」という課題もありました。temiによって、案内内容を標準化しながら、複数言語で同じ情報を正確に届けられる点に期待がありました。

また、temiのカラーやデザインがショールームのコンセプトや空間に自然に溶け込み、全体として違和感のない調和が取れている点も評価されました。

2. 導入背景

新設ショールームの案内体制を、開設時から整えるために

導入にあたって評価されたのは、temiの直感的な操作性です。専門知識がなくても現場スタッフが扱えるため、日々の運用に定着しやすい点が大きなポイントでした。

今回の導入は新設ショールームへの導入であったため、既存の案内運用における明確な課題があったわけではありません。一方で、開設時から、来訪者にとって分かりやすく、スタッフにとっても扱いやすい案内体制を整えておきたいという考えがありました。

来訪者として想定されているのは、海外来訪者、取引先、ステークホルダー、就活学生などです。新卒採用での来訪機会や内定式、営業活動に伴う取引先の見学など、幅広い利用シーンが見込まれています。

さらに、アジア、北米、ヨーロッパなど海外各地から関係者が来訪するイベントを毎年開催しており、そうした参加者にもtemiを利用してもらうことを想定しています。

こうした多様な来訪者に対して、案内する人によって説明内容や順番が変わるのではなく、高い水準で安定した案内を提供できることが重要でした。特に海外からの来訪者に対しては、多言語で同じ内容を案内できる体制を整えることで、スムーズな理解促進につながると考えられました。

一方で、導入前には「操作方法が難しいのではないか」「来訪者に実際に利用してもらえるのか」といった不安もありました。そのため、現場スタッフが無理なく使える操作性と、来訪者が自然に受け入れられる案内体験の両方が、導入時の大切な確認ポイントとなりました。

3. 日々の運用

展示導線に沿った、約20分のガイドツアー

現在、temiはショールーム内で、当社グループの歴史や事業内容などを紹介する案内役として活用されています。案内時間は約20分。ショールーム全域の展示物を、あらかじめ設定した導線に沿って順番に案内しています。

主な利用シーンは、来訪者が自由にショールームを見学する場面です。完全無人運用ではなく、社内の担当者が立ち会いながら、temiが展示説明や情報補足を担うことで、来訪者が自分のペースで見学しやすい環境づくりを支えています。

temiの導入にあたっては、各部署の担当者へのヒアリングを経て案内コンテンツを作成しました。画像表示や説明のタイミングも、来訪者にとって分かりやすい流れになるよう調整しています。

temiが設定されたルートに沿って移動し、展示ごとの説明を順番通りに進めることで、伝えるべき情報を高い水準で、安定して正確に案内できる点が大きな価値となっています。

言語の壁を越えて、グループ事業を分かりやすく伝える

多言語対応は、temiに期待している重要な役割の一つです。日本語、英語、スペイン語、中国語、タイ語に対応し、グループ内で使用される主要な言語で案内できる体制を整えています。

従来、海外からの来訪者に対しては、社内の人員が英語で対応するなど、状況に応じて案内を行っていました。しかし、対応できる人員には限りがあり、来訪者の人数や言語によっては、現場の負担が大きくなることもありました。

temiによる多言語案内により、外国語対応の属人化を抑え、来訪者に対して同じ内容を正確に伝えることができます。母国語で案内を受けられることで、展示内容への理解が深まり、企業やグループ事業に対する安心感・信頼感の向上にもつながります。

特に海外からの来訪者にとっては、当社の日本における事業内容や取り扱い製品を知る機会にもなります。日本と海外では事業内容や取り扱い製品が大きく異なるため、すでに知っている商材だけでなく、日本で展開している事業や製品への理解を深めてもらうきっかけとしても期待されています。

多言語でショールーム案内を行えることは、当社がグローバル企業として事業を展開している姿勢を自然に伝えることにも寄与します。今後は、海外拠点からの来訪者が参加するグループ会議などでも、temiの多言語対応を活用し、円滑な案内やコミュニケーションに役立てていく予定です。

4. 導入後の反応・効果

仕組み化で案内の流れを整え、順番通りに伝えられる安心感

実際にtemiを導入してみて、案内機能だけでなく、人の誘導においても非常に便利だと感じています。運用を始めてみると、ショールームの導線どおりに誘導してくれることの便利さも大きな価値として実感しています。

ショールームづくりに携わった担当者であれば展示内容や背景をある程度案内できますが、それ以外の社員が来訪者を案内する場合、説明する順番や伝える内容が人によってばらばらになる可能性がありました。temiは、設定したルートに沿って順番通りに移動しながら各展示の説明を進められるため、誰が立ち会う場合でも、来訪者に対して高い水準で安定した案内を届けられる点が、導入後に実感された大きな効果です。

来訪者や社内の反応としては、親しみやすさも印象的でした。ある方からは「名前をつけたい」という声もありました。単なる案内機器ではなく、ショールームの中にいる“存在”として認知されていることが感じられる反応でした。

また、temiの案内中には社歌をバックミュージックとして流しており、ショールーム全体を当社らしく演出しています。展示を順番に案内するだけでなく、空間全体の見せ方や体験価値を高める存在にもなっています。

5. 今後の展望

当社らしく活用を広げ、記憶に残るショールーム体験へ

Kuriyama Innovation Squareは、ステークホルダーとともに課題と未来を共創し、グループのシナジーを高める場として位置づけられています。訪れる人それぞれに、新たな可能性を見出していただける場にしていきたいと考えられています。

temiについては、まずショールームでの運用を重ねながら、来訪者の反応も見て、今後の活用方法を検討していく予定です。

また、将来的には自社展示会などにも活用範囲を広げ、効率的な来場者対応につなげていきたいと考えています。

ショールームや展示施設におけるロボット導入は、来訪者に高品質な案内や多言語対応を提供できる点が大きな魅力です。また、単なる説明にとどまらず、記憶に残る体験を提供できることも価値の一つです。

設置場所に合わせてコンテンツや運用を工夫していくことで、より当社らしい活用方法が見えてくるのではないかと考えています。