temiで工場巡回を自動化する:FieldLog活用事例
temiとFieldLogを連携させた自動巡回の具体的な設定方法・運用フローを解説。

工場の夜間・休日の巡回点検に人員を割けない。しかし設備の異常は見逃せない――この矛盾を解決するのが、自律走行ロボットによる自動巡回です。
本記事では、夜間巡回の省人化を実現するロボット技術の仕組みと、導入による具体的な効果を詳しく解説します。
製造現場の夜間・休日巡回は、多くの工場で共通の課題を抱えています。

夜間シフトや休日出勤の人員確保は年々難しくなっています。特に地方工場では若年層の採用が難しく、既存スタッフの高齢化も進行。「夜勤手当を上げても応募がない」「ベテラン社員に頼りきりで属人化している」といった声は珍しくありません。
人手不足が深刻化する中、夜間に2名配置していた巡回要員を1名に減らした結果、点検の質が低下したケースもあります。1名体制では緊急時の対応力が落ち、万が一の事故リスクも高まります。
人による巡回点検は、担当者のスキルや経験値によって品質が大きく異なります。ベテラン社員は設備の微細な異常音や振動の変化を察知できますが、経験の浅い担当者は見落としがち。
点検ルートも担当者によって微妙に違い、「いつもと違う場所を見ていなかった」ために異常を発見できなかった事例もあります。また、深夜帯は集中力の維持が難しく、疲労による見落としリスクも無視できません。
手書きの点検表では、「誰が・何を・どこを点検したか」が属人的になりがちです。担当者が変わると記録の読み方がわからない、過去の記録を探すのに時間がかかる、管理者が現場に行かないとリアルタイムで状況を把握できない――こうした「記録の見えない化」が現場の非効率を生んでいます。
また、ISO認証や品質管理の観点から、点検記録のデジタル整備を求める声も高まっています。まずは「誰が・何を点検したかを見える化する」ところから着手することが、将来の記録管理体制づくりへの第一歩になります。

夜間巡回の省人化とは、従来人が行っていた夜間・休日の設備点検・巡回業務を、自律走行ロボットに代替させることです。ロボットが設定されたルートを自動で巡回し、決まった時間に設備や計器を撮影・記録します。
AI自律走行ロボットであるtemiはLiDARセンサーとカメラによるSLAM技術で工場内の地図を作成し、障害物を回避しながら目的地まで自動走行します。走行速度は最大1m/sで現場の状況に合わせて速度調整が可能です。狭い通路(最小60cm幅)も通過できます。

バッテリー駆動で約8時間連続稼働し、充電が必要になると自動で充電ステーションに戻ります。24時間稼働が必要な工場では、交代で充電する複数台体制も構築できます。
【照明環境について】 夜間自動巡回での画像撮影・計器確認には、施設内に一定の照度が必要です。多くの製造施設では保安灯・常夜灯により夜間も最低限の照度が確保されていますが、人感センサーで自動消灯するエリアなど照明環境が限られる場合は、事前にご相談ください。
ロボット単体では「移動できる」だけですが、専用の巡回点検アプリと連携することで、以下の機能が実現します。
【FieldLogとは】 株式会社iPresenceが開発した製造現場向けの点検記録管理アプリです。ブラウザ版とtemi搭載版の2つで構成されており、temiの自律巡回と内蔵カメラによる撮影で、巡回・撮影・記録をまとめてデジタル化します。

毎日22時、翌2時、翌6時など、設定したスケジュールで自動的に巡回開始
各設備前で立ち止まり、計器や設備状態を自動撮影(撮影日時・場所をセットに記録)。OCR読み取りでメーター数値の取得も可能
撮影データはクラウドにアップロード。誰が・何を・どこで点検したかをシステム上で確認できる
設定した閾値を超えた場合に管理者へメール通知。クラウド上の画像をリモートで確認し、必要に応じてtemiを遠隔操作
スマホやPCから現在地確認、リアルタイム映像視聴、遠隔操作で現場担当者へ追加点検指示も可能

固定カメラは設置箇所のみ監視可能で、死角が生まれやすく、設置工事も必要です。IoTセンサーも同様に固定配置で、センサーの数だけコストがかかります。
移動型ロボットは1台で広範囲をカバーでき、ルート変更も柔軟。新しい設備が追加されても、アプリ上でチェックポイントを追加するだけで対応できます。映像確認だけでなく、遠隔操作での現場スタッフとのコミュニケーションも可能です。

夜間巡回に2名配置していた工場の場合を、実際の導入費用をもとに試算してみます。
【価格に関する注意事項】 現在のField Logライセンスは月額30,000円(税別)です。機能拡充のタイミングで月額50,000円への改定を予定しています(時期未定)。ご契約時点の価格が3年間適用されます。4年目以降のField Logライセンス料は更新時点の適用価格となります。

※ 試算効果は施設の照明環境・巡回ルートの設計により異なります。
人による点検のばらつきがなくなり、常に同じルート、同じチェックポイント、同じタイミングで点検が実施されます。
定点撮影により、設備の状態を時系列で比較できるようになり、予知保全にも活用できます。「先月と比べて錆びの範囲が広がっている」「計器の数値が徐々に上昇傾向」といった変化を、画像データの蓄積から把握可能です。
すべての点検記録がシステム上に保存され、「誰が・何を・どこで点検したか」をデジタルで一元管理できます:

【記録のデジタル化で、現場が変わる】 FieldLogを導入することで、これまで紙に埋もれていた点検記録が「誰が・何を・どこで点検したか」をシステム上で即座に確認できる状態になります。過去の記録を探し回る手間がなくなり、管理者はどこからでもリアルタイムで現場状況を把握できます。品質管理体制のデジタル化を着実に進める、現実的な第一歩です。
紙の点検表を印刷・配布・回収・保管する手間が不要になり、オフィスのペーパーレス化にも貢献します。
現在、製造業を中心に複数社への導入が進んでいます。
工場内の点検業務を遠隔化・夜間対応したいというニーズが出発点でした。既存の水温計では設定値を超えた時点で警報が鳴りますが、その前段階の「予兆ゾーン」を見逃さないための仕組みが課題でした。人が目視で行っていた水温の確認作業を、ロボットと連携したメール通知で代替できないかと検討が始まりました。
このように、既存の警報システムを置き換えるのではなく、「警報が鳴る前に気づく」仕組みを追加する補完的な導入も可能です。導入事例の詳細については、お問い合わせいただいた際に担当者よりご説明いたします。
従来は人が行っていた夜間の設備点検・巡回業務を、自律走行ロボットに代替させることです。設定したルートを自動で巡回し、決まった時間に設備や計器を撮影・記録します。人件費の削減だけでなく、点検の標準化や記録のデジタル化も同時に実現できます。完全無人化が難しい場合でも、2名→1名への削減という「省人化」も可能です。
主なメリットは3つあります。
①夜間・休日の人員配置を削減できる:夜勤2名配置の場合、ロボット導入により人件費の大幅削減が可能です。
②点検ルートと時間が固定されるため品質が安定:人的ミスや見落としがなく、常に同じ品質で点検を実施できます。
③点検記録をデジタルで一元管理:誰が・何を・どこで点検したかをシステム上で確認でき、社内の記録整理・報告業務を効率化できます。
3年一括契約の場合、temi V3 SuccessPlan(3年サポート)+Field Logライセンス(3年利用権)の合計で約360万円(税込)です。夜間巡回2名分の人件費(月約80万円)と比較すると、約4.5ヶ月で投資回収できる試算になります。4年目以降は年間約90万円(税込・現行価格の場合)で継続利用可能です。なお、Field Logライセンスは機能拡充のタイミングで価格改定を予定していますが、ご契約時点の価格が3年間適用されます。
はい、対応可能です。ロボットは導入時に工場内の地図を自動作成し、その地図上に巡回ルートとチェックポイントを設定します。最小通路幅60cm以上、登坂角度5度以下であれば走行可能です。走行速度は最大1m/sで現場に合わせて調整でき、レイアウト変更にもアプリ上でのルート編集で柔軟に対応できます。
temiの自律走行自体は暗所でも動作しますが、カメラによる計器撮影・画像記録には一定の照度が必要です。多くの工場では保安灯・常夜灯で照度が確保されています。エリアごとの照明環境が不安な場合は、事前の現地確認をおすすめします。
FieldLogは「誰が・何を・どこで点検したか」をシステム上で確認できる記録基盤として機能します。点検記録のデジタル化・一元管理により、社内報告や記録整理の効率化に貢献します。一方で、法的証拠としての要件(時刻の改ざん防止・長期保存など)については現在機能改善を進めています。監査での具体的な活用方法については、お気軽にご相談ください。
FieldLog×temiの導入プロセス、初期設定、費用詳細をこの1記事で解説。
デモ申込・PoC相談もページ内からご案内しています。
工場の夜間巡回をロボット自動巡回に置き換えることで、以下の効果が得られます:
3年一括約360万円(税込)の導入費用に対し、約4.5ヶ月で投資回収。3年間の累積差額は約2,520万円
点検ルートと時間が固定され、見落としゼロ。定点撮影で設備の経年変化も把握できる
夜間の人員配置リスク低減、異常時はアラートで即通知・遠隔確認
夜勤負担の軽減、人手不足の解消、スタッフは付加価値業務に集中
「人手不足だから点検を減らす」のではなく、「ロボットに任せて点検品質を上げる」。これが、これからの製造現場のスタンダードになります。
まずは1〜2ヶ月のPoC(実証実験)で、自社の現場に合うかを実際に検証してみることをお勧めします。金属表面処理メーカーをはじめ、製造業への導入が進んでいます。
※ 試算効果は施設の照明環境・巡回ルートの設計・人件費水準により異なります。詳細はお気軽にご相談ください。