
展示案内をもっとわかりやすく。temiがものづくり企業とDXをつなぐきっかけに
「人がいなくても伝わる」「DXが自分ごとになる」——temiが生み出す2つの価値
展示施設やショールームを運営する組織には、共通した悩みがあります。スタッフを常駐させるにはコストがかかります。一方で、せっかく来場した人に展示物の魅力を伝えきれないのはもったいない。さらに、伝統的なものづくり業界では「DX」という言葉が遠い世界の話に聞こえてしまい、地域企業の意識変革がなかなか進まない——。
テレプレゼンスAIロボット「temi」は、こうした課題に対して2軸の効果をもたらします。
【軸①】展示内容伝達強化 スタッフ不在でも来場者に展示内容をしっかり届け、待ち時間も価値ある情報接触の時間に変える。さらにロボットの存在が会話のキッカケとなり、人と人をつなぐ。
【軸②】地域ものづくり企業のDX意識進化 ロボットという目に見える形でDXを体感することで、「DXは自分たちにも関係ある」という気づきを地域の企業に与える。心理的ハードルを下げ、地域全体のものづくりの未来を前に進める。
この2軸を同時に実現している実例が、協同組合島根県鐵工会の取り組みです。
協同組合島根県鐵工会とは
協同組合島根県鐵工会は、1938年(昭和13年)創立、島根県内の機械金属加工業を担うものづくり企業約370社を組合員とする協同組合です。組合員への鉄鋼資材・機械器具の販売、教育情報など多岐にわたる事業を通じて、島根県のものづくり産業を支えてきました。
経済産業省の「地域未来牽引企業」にも選定されており、近年はDXサポートセンターを組合内に設置するなど、地域企業のDX推進にも積極的に取り組んでいます。
そして2025年8月、新たな鐵工会館を新築落成。この新拠点に、temiが導入されました。

テレプレゼンスロボット「temi」を展示施設に導入すると、どんな効果があるか
temiを展示施設に導入することで、主に3つの効果が得られます。 第一に、スタッフがいなくても来場者に展示内容を正確に届けられること。 第二に、ロボットの存在が自然な会話のきっかけをつくり、来場者とスタッフ・組合員をつなぐこと。 第三に、実際に体験した組合員や来場者が、自社での活用を検討し始めるきっかけになること。 協同組合島根県鐵工会の事例が、その具体的な姿を示しています。
軸①:展示内容伝達強化/スタッフ常駐ゼロでも、展示は語り続ける
正面玄関で迎える、もう一人のスタッフ
新しい鐵工会館の展示ブースは、スタッフが常駐しないのが基本です。これは多くの団体や公共施設にも共通する運営スタイルですが、従来であれば「展示物が置いてあるだけ」になりがちな環境でした。
新しい鐵工会館では1階正面玄関を入ってすぐの場所に設けられた「交流スペース」にtemiを配置しています。来館者が入ってくると、temiが「いらっしゃいませ」と声をかける。そこから、館内案内の体験が始まります。
正面玄関付近で待機するtemiは、来館者を迎えた後、興味を持った方には館内の展示企業ブースや展示物の周辺まで案内します。来館時の最初の接点として、受付や館内案内の役割を担っています。
限られたスタッフ数で、すべての来館者に即座に対応することは容易ではありません。temiが挨拶や館内案内を補助することで、来館者を待たせることなく迎え入れ、単なる来館を、展示企業や製品情報との有意義な接点へとつなげています。

月替わりで、毎回来るたびに新しい発見がある
展示スペースには、組合員企業の加工品やブースが並んでいます。展示内容は月替わりで更新され、来館するたびに新しい発見がある構成になっています。
それに合わせて、temiの案内プログラムも毎月更新されています。展示物をただ見るだけでなく、temiが音声で説明することで、展示だけでは伝わりにくい企業の特徴や技術、製品の背景まで来館者に届けることができます。
「ものを見るだけじゃなくて、temiが喋ってくれることによって、展示物を見るだけじゃ分からない企業さんの情報を伝えてくれているのは非常にいいなと思います。」
月替わりの展示が定着してからは、説明を聞くためにtemiに触れる来館者が以前より増えているといいます。展示内容の更新とtemiによる案内が組み合わさることで、来館者にとって“毎回来るたびに新しい発見がある”展示空間が生まれています。
「触ってもらう」ための工夫が、盛り上がりを生んだ
運用当初の課題は、来館者にtemiへ触れてもらうことでした。画面の前に来ても、実際にタッチしてもらうまでには少しハードルがありました。
そこで、画面にポップを付けるなど、来館者が自然に興味を持ち、触れてみたくなるきっかけづくりを丁寧に進めていきました。
またイベントでは、temiの背面トレイに飴を載せて走らせたり、「temiを操作しないとクリアできないクイズラリー」を実施したりと、楽しみながらtemiに触れられる工夫も行いました。その結果、参加者が積極的に関わり、会場は大いに盛り上がったといいます。
単にロボットを設置するだけでなく、どうすれば人が自然に関わりたくなるかを考え、接点を設計していくことが、temi活用の定着につながっています。

役員も使う。担当者がいなくても回る運用設計
temiの存在は、スタッフと来場者の会話のきっかけにもなっています。
来館者に対して「ここをタッチしてみてください」と声をかけるだけで、自然に操作へつなげることができます。現場の担当スタッフでなくても扱いやすく、役員の方が来場者に「触ってみてください」と促し、その場でtemiを動かして案内する場面も見られるといいます。
運用はシンプルで、「ここを押せば展示物のところまで案内してくれますよ」と伝えられる設計になっています。そのため、特定の担当者に頼らず、誰でも気軽に使える運用が実現しています。
temiは来館者を案内するだけでなく、人と人との会話を生み、展示スペースへの関心を高める入口にもなっています。
思わず立ち止まる。展示会で人を引き込むtemiの存在感
外部会場でも、temiは活躍しています。展示会に持ち出した際の様子を、担当者はこう振り返ります。
「ブースの周りを声を出しながら動いていると、『なんだこれ?』と足を止める方が結構いました。temiの案内を聞いた後にスタッフが声をかけることで、詳しく説明するきっかけになったようです。やはり集客力がありますね。そういう使い方が効果的なのではないか、という話になっています。」
単に展示物を並べるだけでは生まれにくい最初の接点を、temiがつくってくれる。来場者の関心を引き、スタッフとの会話へつなげるという意味で、展示会における集客力の高さを実感する場面となりました。

軸②:地域ものづくり企業のDX意識進化/組合員の新しいキッカケをつくる
「見てもらう」ことを意図した置き方
temi導入にあたって、担当者の頭にあったのは、自分たちの業務効率化だけではありませんでした。
「島根県内でtemiのようなロボットを導入している企業さんは、まだあまりないと思います。物珍しさもありますし、組合員の皆さんにも実際に見てもらうことで、『こういう技術があるんだ』と感じてもらえれば、それだけでも意味があると考えていました。」
会館は、組合員が会議やイベントなどで日常的に訪れる場所です。そこにtemiがいることで、来館した組合員が自然にロボットと接し、「こういう使い方もあるのか」と気づくきっかけになります。
単なる館内案内や業務効率化にとどまらず、会館そのものが新しい技術活用を体感できる場にもなっているのです。
「うちでも使えないか」—説明会で生まれた具体的な相談
temiの導入は、組合員企業との具体的な接点にもつながっています。説明会でtemiに触れた組合員企業の担当者から、「まさにこういったロボットを探していた」と声をかけられたこともありました。
実際に動くtemiを目にし、操作してみることで、組合員自身の業務課題とロボット活用の可能性が結びついていきます。会館での活用は、単なる展示や案内にとどまらず、「新しい技術を取り入れれば、自社の目の前の課題も解決できるのではないか」と考えるきっかけにもなっています。
組合員のためになることを、一緒に考え続ける
temi活用の根底にあるのは、「組合員のためになることを考え続ける」という一貫した姿勢です。県内外の企業さんが鐵工会館に来られた際、商談のセッティングやコアな対応に職員が集中できるよう、最初の館内誘導やブースへの案内といったtemiで対応できる部分は、積極的にtemiを活用していきたいと考えています。そうして、展示会や館内展示を通じて、組合員企業様からお借りした大切な展示物を一人でも多くの方に見ていただき、組合員様の素晴らしい技術力をしっかり発信していくことが、私たちが行える支援の一つです。
会館に置かれているtemiは、単なる案内ロボットではありません。実際に動く姿を見てもらうことで、組合員企業の皆様が『自社の現場にある課題も、こうした技術で解決できるかもしれない』と考える、DX(デジタル化)のヒントや生きた見本にもなっています。
業務効率化、来客対応、展示案内、販路開拓支援。temiの活用は、組合員企業の可能性を広げるために、鐵工会として何ができるかを考え続ける取り組みのひとつです。
次のステップ:AIと組み合わせた対話へ
「お客さんからの問いに対して、temiが少し考えて答えられるようになったらいいなと、いろいろ試しているところです。そこができるようになると、活用の幅もさらに広がるのではないかと感じています。今後、そうした運用もしていけたらいいですね。」
来館者からの質問に対して、temiがその場で答えられるようになれば、案内や展示説明の可能性はさらに広がります。現在の館内案内や展示誘導に加え、より双方向のコミュニケーションが生まれることで、temiの活用は次の段階へ進もうとしています。
「キッカケづくりの達人」としてのtemi
協同組合島根県鐵工会の事例から見えてくるのは、temiが単なる説明ツールではないということです。
・展示企業と来場者をつなぐキッカケ
・来場者と組合員の会話のキッカケ
・島根のものづくり企業がDXに向き合うキッカケ
・自社の業務改善を考えるキッカケ
あらゆる「最初の一歩」を生み出す存在—これこそが、本事例における、temiの本質的な価値です。
導入を支えたのは、地域への使命感
協同組合島根県鐵工会のtemi導入を推進したのは、島根のものづくり産業全体を支えることを「自分たちの使命」と捉える担当者たちでした。
ツールは導入するだけでは効果を生みません。使命感を持った人が、適切な手段を選び、活用すること——協同組合島根県鐵工会の事例は、そのお手本と言えるでしょう。
よくある質問
Q.テレプレゼンスロボット「temi」は、展示施設でどのように使えますか?
スタッフが常駐しない展示ブースで、来場者への挨拶・展示説明・館内誘導を自動で行います。定期的に案内プログラムを更新することで、リピーターにも毎回新しい情報を届けることができます。
Q.temiは担当者がいないと使えませんか?
シンプルな画面設計であれば、担当者以外のスタッフでも「ここを押せば展示の場所に行けますよ」と来場者にご案内できます。 協同組合島根県鐵工会では、会館に在籍するスタッフが自然に活用しています。
Q.イベント時にもtemiは活躍できますか?
展示会への持ち出しや館内イベントでも活用されています。動きながら来場者の足を止め、スタッフが説明に入るきっかけをつくる「集客装置」として機能した事例があります。
Q.組合や業界団体での導入に、特別のメリットはありますか?
会館や施設で実際にtemiに触れることで、組合員が「新しい技術を取り入れれば、自社の目の前の課題も解決できるのではないか」と考えるきっかけになります。業務改善やDXを自分ごととして捉える入口になる点が、組合や業界団体で活用する大きなメリットです。
あなたの組織にも、「キッカケ」を
スタッフ常駐コストを抑えながら来場者体験を向上させたい。地域や組織のDXを、現場の意識から変えていきたい。そんな課題を持つ組織にこそ、temiは大きな価値を提供できます。
協同組合島根県鐵工会の取り組みが示すように、temiは「最初の一歩」を生み出す達人です。あなたの組織でも、新しいキッカケを始めてみませんか。






