【大阪・関西万博 閉幕記念】未来のコミュニケーションをテレポート! iPresenceが「いのち輝く未来社会」で実現した挑戦と成果

~時系列で辿る、テレロボットtemiとFuAraが描いた万博への道のり~
2025年4月13日(日)から10月13日(月)までの184日間にわたり開催された「2025年大阪・関西万博」は、無事閉幕を迎えました。国内外から多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の万博は、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に向け、未来社会の実験場として、多様な人々が制約なく参加し、新しい繋がりを創出するための様々な取り組みや技術が試されました。iPresenceは、テレロボットを利用した遠隔参加を「まるでその場にいる」感覚を体験できる「テレポート」と表現し、その技術を駆使して、万博の舞台で「誰もが参加できる未来のコミュニケーション」を展開しました。
本レポートでは、万博会場で大きな反響を呼んだiPresenceの活動を総括し、皆様からいただいたお声と、メディアでの反響をご紹介します。
1. 万博への参加表明と準備(2024年〜2025年4月)
iPresenceの万博への取り組みは、開催の約1年前から着実に進められてきました。この期間は、展示の決定、運営への協力体制、そして特別なデザインの準備に注力しました。
1.1 運営協力体制の確立と「どこでも万博」への参画
2024年3月にはFuAraの展示決定が発表され、6月には万博の円滑な運営を支える「運営参加サプライヤー」として協力体制を確立しました。そして10月には、後に取組が万博イノベーションアワードを受賞する「どこでも万博」プロジェクトを推進するコンソーシアム結成に参画しました。
-
FuAra展示決定:[2024.03.26]
2025年9月9日〜15日、大阪ヘルスケアパビリオン内の展示・出展ゾーンにて、iPresenceが出展することが決定しました。 -
運営サプライヤー決定:[2024.06.26]
大阪・関西万博の運営参加サプライヤーに決定しました。iPresenceとしてテレプレゼンスアバターロボットtemiの貸与が決定しました。同時にTDMパートナーとしても登録しました。 -
「どこでも万博」コンソーシアム結成:[2024.10.24]
日常生活に制限を抱えるこどもたちの「やりたい」をテクノロジーで実現することを目的に、共同で『スペシャルキッズ未来構想チャレンジコンソーシアム』を結成し、「どこでも万博」にむけて本格始動をしました。
1.2 どこでも万博用「temi」ラッピングデザインの準備
万博のテーマである「いのち輝く未来社会」の実現に向け、「どこでも万博」プロジェクトを推進するコンソーシアム結成に参画しました。このプロジェクトを象徴するtemiには、万博限定の特別なラッピングデザインを施し、視覚的な側面からも未来への期待感を高める準備を進めました。

2. 万博開幕と「どこでも万博」の展開(2025年4月~8月)
▼【どこでも万博】紹介動画
万博が開幕すると、iPresenceのAI搭載の自律移動型テレプレゼンスアバターロボット(以下、テレロボット)「temi」が、すぐに万博のテーマを実現する活動を開始しました。
2.1 4,000人以上のこどもたちが会場へテレポート
iPresence株式会社がコンソーシアムメンバーとして参画し、temiを提供した「どこでも万博」プロジェクト。これは「スペシャルキッズ未来構想チャレンジコンソーシアム」が主催した遠隔体験イベントです。

この取り組みは、2025年4月〜8月の期間に不定期で開催され、病院や施設にいる外出困難な4,000人以上のこどもたちが、temiを通して万博会場へテレポートしました。
【temiによるテレポート体験】こどもたちは、パビリオンに設置されたtemiと病院や施設を接続し、temiが撮影するリアルタイムの映像(temiビュー)を通して、まるでその場にいるかのような臨場感あふれる遠隔ツアーを体験しました。

temiの自律移動性とリアルタイムの映像・音声機能は、こどもたちに「まるで自分の足で歩いている」かのような没入感を体験させ、会場の来場者との交流や、日本・イタリア間の国境を越えた文化交流までも実現しました。
【どこでも万博の主な会場となったパビリオン】
・イタリアパビリオン
・石黒浩・シグネチャーパビリオン「いのちの未来」

2.2 万博イノベーションアワード受賞!
この取り組みは、多様な人々の参加機会を提供した点が評価され、2025年9月に万博イノベーションアワードを受賞しました。
【万博イノベーションアワードとは】 2005年愛知万博20周年を記念して、博覧会国際事務局(BIE)と(一財)地球産業文化研究所(GISPRI)が共同で開催したもので、万博における優れた革新的なアイデアを表彰する目的で新設されました。
3. FuAraの初公開と代表講演(2025年9月)
万博終盤の2025年9月、iPresenceは大きな注目を集める二つの活動を実施しました。
3.1 遠隔ハグロボット「FuAra」が初登場
「離れていても、大切な人に心の温もりを届けたい」という想いから生まれた、遠隔抱きしめロボット「FuAra(フアラ)」が、大阪ヘルスケアパビリオンでついに初公開されました。
FuAraは、iPresenceが大阪工業大学と共同で開発したロボットです。大阪ヘルスケアパビリオン内の「Resona Mirai Color ~冬~ ミライのテクノロジー」の一環として、2025年9月9日〜15日の期間限定で展示されました。
▼【FuAra体験会】レポート動画
FuAraは、iPresenceが大阪工業大学と共同で開発したロボットです。大阪ヘルスケアパビリオン内の「Resona Mirai Color ~冬~ ミライのテクノロジー」の一環として、2025年9月9日〜15日の期間限定で展示されました。
3.2「遠隔ハグ」体験会を実施
体験ブースでは、遠隔地にいる人のハグの動きをモーションキャプチャーで捉え、リアルタイムでFuAraに伝送。FuAraがその動きを再現し、「ハグの受け手」を抱きしめるという、未来のコミュニケーションを体験できました。 これに加え、胸元のハートから鼓動を擬似的に感じる仕組みで、物理的な距離を超えた「心の繋がり」を再認識させました。体験された方々からは、「ロボットなのに本当に温かい気持ちになった」といった声が多数寄せられました。


3.3 代表クリストファーズが万博ステージで講演
FuAra展示期間中の2025年9月15日には、弊社代表のクリストファーズが万博ステージに登壇し、iPresenceのビジョンを語りました。

【講演概要】
登壇日時: 2025年9月15日(月・祝) 13:00〜13:30
場所: 大阪・関西万博会場内、大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンステージ」(屋外)
テーマ: 「テレロボットとヘルスケア」
代表は、FuAraをはじめとする遠隔技術が、医療や介護分野において、単なる効率化だけでなく、「心のケア」という、真に人間に寄り添う価値を提供できることを力説しました。万博という舞台で、未来の「いのち輝く」姿を提示しました。
4. 総括:評価の確定、アワード受賞と終盤の展示・メディア掲載(2025年9月〜10月)
万博終盤には、これまでの活動に対する評価が確定し、技術の発信を締めくくる万博内展示が行われました。
4.1 万博イノベーションアワード受賞
どこでも万博の取り組みは、その成果が認められ、万博閉幕直前の2025年9月には、「万博イノベーションアワード受賞」という栄誉に輝きました。この受賞は、技術による社会への貢献が国際的に評価された証です。
この度の賞は、博覧会国際事務局(BIE)と(一財)地球産業文化研究所(GISPRI)が共同で開催したもので、万博における優れた革新的なアイデアを表彰する目的で新設されました。

4.2 アワード受賞が繋いだ国際的な連携:サウジアラビア王国館でのiTOUR
アワード受賞は、新たな国際的な連携のきっかけとなりました。サウジアラビア王国館において、iPresenceのテレロボット「temi」を使用したライブ配信ツアー(iTOUR)が実施され、障がいを持つこどもたちにサウジアラビア館の遠隔体験を提供しました。これは、万博での活動が国際的な評価を得て、新たな協力関係を生み出した事例です。
関連情報: 【大阪・関西万博サウジアラビア王国館】障がいのある子どもたちのためにライブ配信ツアーを実施(外部リンク)
4.3 中小機構の万博内展示事業「未来航路」への参加
万博閉幕直前まで、iPresenceは中小企業庁/独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が主催する万博内体験型展示「未来航路」に、参加させていただき、未来社会を担う企業の一員として、iPresenceと、その持つテクノロジーを多くの来場者に知っていただくべく活動しました。
会期: 2025年10月3日(金)〜10月7日(火)
場所: 大阪・関西万博会場内 EXPOメッセ「WASSE」
展示内容: 展示エリア「最先端デジタルテクノロジー」ゾーンの中央ブースにて、テレプレゼンスアバターロボット「temi」および「kubi」を展示。会場内では、自走式AI搭載のテレロボット「temi」が展示エリア周辺を巡回し、遠隔操作や音声案内による自律移動の様子を実際に体験いただきました。
4.4 メディアも注目!社会貢献への大きな反響
万博における取組と社会貢献の姿勢は、数多くのメディアに取り上げられ、大きな反響を呼びました。
特にどこでも万博の取組は、国内だけでなく、イタリアの主要通信社であるANSA通信にも取り上げられました。 国境を超えて、テクノロジーが「会いたい」を叶え、「いのち輝く未来」に貢献する様子が、世界に向けて発信されました。コンソーシアムとして数多くのメディアに取り上げていただきました。
弊社のウェブサイトでは、temiの活用を特に詳細に報じていただいたメディア様を抜粋し、掲載しております。
また、FuAraは、ニュース番組であるNHK大阪「ほっと関西」において、2025年9月11日(木)に遠隔ハグロボット「FuAra」を約4分間の特集で紹介いただきました。 開発背景や万博会場での体験の様子が報じられました。
メディア掲載情報:NHK大阪「ほっと関西」|遠隔ハグロボット「FuAra」|離れていても「ハグ」できるロボット公開 大阪・関西万博
5. まとめ:未来へのテレポートは続く
2025年大阪・関西万博は閉幕しましたが、iPresenceの「Semi-Real(セミリアル)」なコミュニケーション技術による未来へのテレポートは、これからも続いていきます。万博で得た知見と感動を糧に、私たちは、距離や制約に縛られず、すべての人が自分らしく輝ける「いのち輝く未来社会」の実現に貢献してまいります。
万博期間中、iPresenceの活動にご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
ご来場、ご声援、心より感謝申し上げます。