小型自律搬送ロボット「カチャカプロ」と弊社ソリューションの連携を開始!もの運び×テレビ電話で現場DX!
近年、少子高齢化や人手不足を背景に、病院や工場など様々な現場で業務効率化とDX(デジタル・トランスフォーメーション)の重要性が高まっています。特に医療現場では、スタッフが診療の合間に器具や薬剤を運搬する負担が大きく、患者対応の時間が削られるといった課題があります。工場やオフィスでも、煩雑な物品運搬作業に人手が割かれ、生産性向上の障壁となっています。こうした問題を解決する手段として自律走行ロボットの導入が注目されており、実際に運搬ロボットの活用事例が増え始めています。
そのような中、リモートプレゼンス(遠隔臨場)技術を提供するiPresenceは、新たに小型自律搬送ロボット「カチャカプロ」の取り扱いを開始しています。もの運びとテレビ電話(遠隔コミュニケーション)の機能を統合できるこのロボットにより、現場のDX推進を強力に支援します。従来、搬送ロボットは1台数百万円以上と高価で導入ハードルが高いケースが多く見られましたが、カチャカプロは低コスト(100万円台)かつ簡単導入を実現し、中小規模の施設でも導入しやすい点が評価されています。本記事では、カチャカプロの製品概要と特徴、活用事例、そしてiPresenceによる提供メリットについて詳しく紹介します。
カチャカプロとは?(製品概要と特徴)
「カチャカプロ」は、日本のスタートアップ企業Preferred Roboticsが開発した自律移動型の搬送ロボット(AMR)です。幅24cm・奥行38.7cmのコンパクトな本体に高度なAI・SLAM技術を搭載し、決められたルートだけでなく人の指示に応じて自由に館内を走行して物品を運ぶことができます。最大30kgの荷物(専用棚を含む)を運搬可能で、狭い通路(最小幅55cm)でもスムーズに移動できる機動力を備えています。これにより従来の搬送ロボットでは難しかったクリニックの細い廊下や狭小店舗内でも、問題なく走行・作業が可能です。
カチャカプロの特徴
小型・安価・簡単操作
主な特徴として、カチャカプロは「小型・安価・簡単操作」という三拍子が揃っています。スマートフォンとWi-Fi環境さえあれば専門知識がなくても即日稼働でき、専用アプリに従って地図作成や目的地設定を行えば自動走行を開始します。また、付属の物理ボタン(カチャカボタン)を使えばスマホ操作や音声コマンド不要でワンプッシュで決まった動作を実行させることも可能です。障害物検知にはLiDARセンサーを用いており、人や物と安全にすれ違える高い自律走行性能と安全性も確保されています。
専用の「棚ユニット」とのドッキング機構
さらにカチャカプロ最大の特徴は、専用の「棚ユニット」とのドッキング機構です。複数の棚を着脱・交換しながら運搬できるため、一台で複数の役割をこなすことができます。例えば、ある地点で空の棚と積載済みの棚を交換し、別の用途の荷物運搬にすぐ切り替えることが可能です。この柔軟性により、配膳用・回収用・清掃用など用途別に棚を使い分ける運用が実現します。
iPresenceソリューションとの連携
カチャカプロは基本的に自律走行で自動搬送を行いますが、特徴的なのはiPresenceが提供する遠隔操作やテレビ電話機能とも親和性が高い点です。例えば遠隔地の管理者がロボットを操作して現場スタッフとテレビ電話で会話しながら物品を届ける、といった「テレプレゼンス × 物品搬送」の融合的な使い方もiPresenceソリューションとの連携で可能です。
実際、iPresenceが提供する他のテレロボット製品(例:temiなど)は映像・会話・移動のすべてを兼ね備え、「まるでその場に人がいる」感覚を実現する自律移動型分身ロボットとして活用されています。同様にカチャカプロも、こうした遠隔コミュニケーション機能と組み合わせることで、人がロボットを介してその場に赴き物を運ぶような新しいソリューションを提供できる点が魅力です。
工場・オフィス・病院における活用可能性(既存事例紹介)
カチャカプロは製造業の工場からクリニック、オフィスまで幅広い現場で導入が進んでおり、それぞれの業種で業務効率化に貢献しています。以下では特に「工場」と「病院」という観点で、その活用事例や可能性をご紹介します。
工場・オフィスでの活用例
製造業やオフィス環境でも、カチャカプロは人が行っていた定型的な運搬作業を置き換えることで効果を上げています。大手建設会社の戸田建設株式会社では、新本社ビルにカチャカプロを導入し、広いオフィスフロアでの使用済みコーヒーカップ回収作業を自動化しました。その結果、スタッフが1日あたり往復2km以上歩いて行っていた回収業務が削減され、本来のカフェ業務に集中できるようになったといいます。
また、ある物流センターでは社内のあらゆる運搬作業をカチャカプロに任せることで、何度も往復する労力が削減され、人の往来が減った結果職場の静粛性も向上したとの報告があります。製造ラインへの部品供給や倉庫内ピッキング品の集配など、反復的な搬送業務をロボットに任せることで、現場スタッフはより付加価値の高い業務に専念できるようになります。
さらにカチャカプロはAPI連携により工場内の既存システムとも接続できるため、製造指示や在庫管理システムと連動して必要な材料を自動搬送するスマート工場構築といった応用も可能です。
医療現場での活用例
病院や歯科クリニックでは、医師・看護師がカルテや治療器具を運ぶ時間を削減するためにカチャカプロが活躍しています。
例えば千葉県のKKクリニック市原様では、カルテの運搬をカチャカプロに任せることでスタッフの移動が大幅に減少し、患者と接する時間をより長く確保できたと報告されています。別の歯科医院では治療器具の往復運搬にロボットを使い、ロボットが器材を運んでいる間に患者への説明に専念できるようになり、患者の不安解消につながったとの声もあります。このように、ロボット導入によって医療従事者の負担軽減と患者サービス向上を両立した事例が増えており、院内物流のDXとして大きな可能性が期待できます。
iPresenceとのシナジー(遠隔操作技術や独自開発力との統合)
カチャカプロの導入効果を最大化する上で、iPresenceが持つリモートプレゼンス技術とのシナジー(相乗効果)にも注目すべきです。iPresenceはこれまで、temiやDouble3といったテレプレゼンスロボットを活用し、遠隔地からロボットを操作して「その場にいるように」コミュニケーションや作業ができる環境を提供してきました。例えば工場DXの文脈では、管理者がインターネット経由で工場内のロボットにアクセスし、リアルタイム映像を見ながら現場巡回や作業指示を遠隔で行う、といった実装も進んでいます。このようなノウハウを持つiPresenceがカチャカプロを取り扱うことで、「遠隔操作 × 自律搬送」という新たなソリューションが実現します。
具体的には、iPresenceのクラウドプラットフォームや遠隔操作アプリを活用して、離れた場所からカチャカプロを制御・監視できるようになることが期待されます。管理者や技術者は自席や遠隔地からロボットのカメラ映像を確認し、必要に応じて目的地や動作を指示できます。これにより、例えば複数拠点の工場にいるロボットを中央から一括管理したり、緊急時に遠隔からロボットを介して現場対応するといった運用も可能になるでしょう。従来のカチャカプロ単体でも公開APIを通じて操作やデータ取得は可能でしたが、iPresenceの遠隔通信インフラやユーザー向けアプリ開発力と組み合わせることで、より使いやすく高度なリモート搬送システムとして提供できるのです。
また、iPresenceはこれまでテレロボットのカスタマイズ開発やソフトウェア連携にも数多く取り組んできました。その強みを活かし、カチャカプロに対してもユーザー企業ごとの業務フローに合わせたシステム統合を支援します。例えば、病院であれば電子カルテシステムやナースコールとの連動、工場であれば生産管理システムや在庫管理IoTセンサーとの連携など、現場のDX環境全体に溶け込むロボット活用を提案できる点がiPresenceと組むメリットです。単なる機器販売に留まらず、現場ごとの課題に応じてアプリケーション開発・UI設計・クラウド連携まで含めた包括的なソリューション提供により、導入企業は安心してロボット活用を進めることができます。
まとめると、iPresenceがカチャカプロの取り扱いを開始することで、「自律搬送ロボット」+「遠隔プレゼンス技術」+「現場志向の開発力」が統合された新たなサービスが生まれます。これは現場DXを推進する企業にとって非常に心強いシナジーであり、単なる人的作業の代替に留まらないスマートで双方向な業務自動化を実現する鍵となるでしょう。
カスタマイズ開発による拡張性
カチャカプロは標準でも多機能なロボットですが、ユーザーの独自ニーズに応えるカスタマイズ性も大きな魅力です。ハード面では、前述の専用シェルフを各業種の現場要件に合わせてカスタム設計可能で、飲食店向けの配膳トレイや病院向けの薬剤トレー、工場向けの部品ケース載せ台など、用途に応じたアタッチメント開発にも対応しています。
ソフト面においても、カチャカプロは公開APIを備えており、外部システムとの柔軟な連携やカスタムプログラミングが可能です。例えば、既存の業務システムからロボットに自動指示を送ったり、ロボットから走行状況データを取得して分析に活用するといったこともできます。実際の導入例では、戸田建設様が社内のIoTボタンとカチャカプロのAPIを連携させ、ボタン1つでロボットに出発〜搬送〜帰還までの一連動作を実行させる仕組みを内製で構築しています。このようにAPIを活用すれば、難しいプログラミングをしなくても既存ツールとの連動やワークフロー自動化が実現でき、現場の創意工夫次第でロボットの用途はどんどん拡張できるでしょう。
iPresenceはこのカチャカプロの柔軟性をさらに引き出すために、ユーザー企業ごとのカスタマイズ開発支援を行います。自社内に開発リソースが無い場合でも、iPresenceのエンジニアリングチームが要件ヒアリングの上で適切なソフトウェア改修やシステム統合を提案・実装します。例えば「社内の特定センサーと連動してロボットを自動発進させたい」「遠隔地のスマホから複数台のロボットを一括管理したい」「ロボットの走行マップをデジタルツイン上に可視化したい」といった要望にも、iPresenceの持つウェブ・アプリ・ロボット開発の知見を活かして対応可能です。また、将来的に追加したい機能や他システムとの連携が出てきた場合も、カチャカプロはソフトウェアアップデートや拡張モジュールによって後付けで機能強化できるため、一度導入すれば長期間にわたり進化・適応させながら使い続けることができます。これらの柔軟性と拡張性こそ、カチャカプロがDX推進のパートナーとして頼れるポイントと言えるでしょう。
DX推進部門への導入提案と今後の展望
自社のDXを推進する企業のご担当者(いわゆる「DX推進部門」)にとって、カチャカプロはまずは小規模から効果検証しやすいロボットとして導入を検討する価値があります。初期コストは100万円台と業界最安水準であるため、従来数百万円クラスの大型ロボットには手が出なかったケースでも少ない予算で試験導入が可能です。また、リース契約やレンタル等にも対応しており、期間を区切ったPoC(概念実証)的な使い方で効果を測定することも容易です。iPresenceでは短期レンタルサービスやPoC支援プログラムも用意しており、まずは現場にロボットを置いてみて課題解決のインパクトを実感していただくことを推奨しています(※)。例えば「〇〇の部署で3ヶ月間トライアル稼働し、何時間の作業削減効果があったか」をデータ収集・分析し、社内で本格導入のROIを示すといったステップも全面的にサポートします。
さらに今後の展望として、カチャカプロおよびその周辺サービスは継続的な進化が予定されています。開発元のPreferred Robotics社は、100kg可搬は2026年3月頃、群管理は2025年夏頃にリリース予定としており、ロボットによる自動化の適用範囲は今後ますます広がっていく見込みです。例えば将来的には、工場や病院内に多数配備されたロボット同士が協調し合い、エレベーターや自動ドアと連携しながら建物全体の物流を自律制御するといった高度な運用も視野に入っています。iPresenceはこうした最新モデルやシステムにも順次対応し、常にユーザーのニーズに合った最適なソリューションを提案できる体制を整えてまいります。
加えて、iPresence自身もリモートプレゼンス技術の発展に合わせて、柔軟で拡張性のあるソリューションを継続提供し国内外への展開を進めていく計画です。カチャカプロの提供開始はその一環であり、お客様の声を反映しながら現場DXを強力に後押しするサービスへと育てていく所存です。今後は、DX推進部門の皆様と共に現場課題の洗い出しから効果検証、本格導入まで伴走し、「人とロボットが協働する新しい働き方」を創出していきたいと考えています。
(※レンタルやPoC支援の詳細はお問い合わせにてご案内いたします。)
お問い合わせ・導入相談
カチャカプロの導入検討やデモ希望につきましては、ぜひお気軽にiPresenceまでお問い合わせください。弊社担当者が現場の課題ヒアリングから最適プランのご提案、実証導入のサポートまで丁寧に対応いたします。
- お問い合わせフォーム:弊社WEBサイトのお問い合わせページよりご連絡いただけます。
最新の製品カタログや導入事例資料もご用意しておりますので、ご希望の方は併せてお申し付けください。iPresenceは、皆様のDX推進をテレプレゼンス×自律移動ロボットでも支援いたします。ぜひこの機会に現場の働き方改革に向けた第一歩としてカチャカプロの活用をご検討ください。お問い合わせを心よりお待ちしております。