本日は毎年恒例のITや音楽、文化のフェスティバル、078神戸で「テレポーテーションアバターロボットを使った遠隔授業参加 – テレロボ教育の可能性」というパネルディスカッションのモデレーターをさせていただきました!!

https://2020online.078kobe.jp/events/13701/

通常はライブでのイベントですが、コロナの影響もあり、ライブは9月に延長し、一部の講演セッションのみオンライン開催されました。
このテレポーテーションアバターロボットを使っての病院や自宅などからの教育参加というのは実は小さい子ども三人いる私にとっても6年前に IPresenceを立ち上げた時に実現したかったことNo.1です。
ただ、それを実現するには教育 x 医療 x ITというこの3つの分野での理解と協力が必要になるということと、ご家族や友達の理解も必要でその分野での専門でもない私にとってもどう進めて良いのか分からずなかなか前に進まなかった状況でした。

そんな時に一人の高校生の女の子を何とか遠隔学校参加させたいという想いでいろいろなところを駆け回っていたケアワーカーの大濱江美子さんとご縁で出会い、彼女の情熱とお母様の切実な願いが尼崎市教育委員会にKUBIを使った病院からの学校生活参加を昨年の初旬に初めて認めていただきました。

非常に残念ながらその子は数ヶ月後に亡くなられたのですが、お母様からもロボット経由でも文化祭の練習や学校の授業に参加できる事が最後の時期にも生きる喜びになっていたとお手紙もいただきました。
この事がきっかけで他の何人かの子どもや大阪の学校にも使っていただいて喜んではいただいたのですが、やはり学校側の受け入れ態勢やインターネットの問題、費用の問題などがクリアできずに諦めざるをえない子たちもいらっしゃいました。

今回のイベントはまさしくそういった現状を打破すべく今まではなかなかこういう形で一同に交わる事が少なかった、教育 x 医療 x ITそれぞれの現場の第一線で奮闘されている方々にお願いしてご登壇いただいた奇跡的な取り組みだったと思っています!!

大阪市立総合医療センターの 大濱江美子さんには本当に諦めずに動かれている事やご家族の思いなどを、 大阪国際がんセンター(旧:大阪府立成人病センター)の多田先生には医師としての医療現場からの課題やテレポーテーションアバターロボットの可能性、神戸市で教育分野に36年携わられ、ついこの3月末に校長先生から定年退職された三善先生からは子どもが何に喜びを感じるのか、 大阪工業大学の大須賀教授には最先端のロボットやITを使った遠隔コミュニケーションやコラボレーションの取り組み、 ジーワン株式会社の森社長からは医療業界に新たなITの取り組みを普及させる難しさや課題に関しても率直なご意見をいただきました。

それぞれの方々がお一人でのセッションも十分可能なほど実績や想いもお持ちの異なる分野の方々に短い時間で情報や想いを詰め込んでいただき、ものすごく濃厚な時間で、75分のセッションもあっという間でした。

セッションでも言いましたが、あくまでも主役はロボットではなく入院児童やその周りの友達、先生方で、その方々が三善先生の言葉を使うと、「つどい」「つながり」「つむぎあう」事が難なくできるような黒子的な役割としてロボットがあるというのがこの取り組みのあるべき姿だと思っています。

この道のりはまだまだ始まったばかりですが、是非ともパネリストの方々、078関係者のみなさま、本日ご視聴いただいた方々含めて皆で協力しながら動いていければ幸いです。