
案内ロボットの導入を検討しているが、種類が多くてどれを選べばいいのか分からない…そんな悩みを解決します。この記事では、案内ロボットの選び方について、移動方式・対応方式・活用事例といった基本的な情報から、導入メリット・デメリット、価格相場、選び方のポイントまで徹底解説。さらに、OriHime、kubi、temiなどといったおすすめ機種を徹底比較することで、あなたの目的にぴったりの案内ロボットを見つけるお手伝いをします。業務効率化や顧客満足度向上に繋がる最適な案内ロボット導入のヒントが満載です。
1. 案内ロボットとは?目的に合った選び方
案内ロボットとは、商業施設やオフィス、病院などで、来訪者への案内や情報提供を行うロボットです。近年、DX化や、労働力不足の解消、顧客満足度の向上を目的として、様々な場所で導入が進んでいます。設置形態・モニター搭載の有無・音声対応の方式・移動方式・対応方式といった観点から案内ロボットを分類します。案内ロボットには、目的に合ったロボットを選ぶことが重要です。
1.1案内ロボットの設置形態による分類
案内ロボットは、その設置形態によって大きく2つに分けられます。
- 移動型ロボット:自走機能を備えており、施設内を移動しながら案内が可能。施設の広範囲な案内や誘導に適しています。
- 据置型ロボット(卓上型):テーブルやカウンターに固定して使用するタイプ。限られたスペースでの利用や対面接客に向いています。
1.2 案内ロボットの「モニター搭載」による分類
案内ロボットは、モニターの有無によっても大きく機能や活用の幅が異なります。視覚的な情報提供や操作性の観点から、モニターの有無も重要な分類軸です。
1.2.1 モニター搭載型ロボット
モニターを搭載したロボットは、映像や情報を視覚的に伝えることができるため、動画による施設紹介、テロップ案内、多言語字幕など、視覚情報を活用した案内が可能です。さらに、遠隔接客型ロボットの場合には、オペレーターの顔を表示することができる一方で、アバターを表示させてより親しみやすい接客を実現できます。ロボットによっては、顔のイラストを表示させることで表情を表現できるものや、もともと録画してある顔の映像を流すこともできます。
1.2.2 モニター非搭載型ロボット
モニターを搭載しないロボットは、音声や動作による案内が中心となります。構造がシンプルな分、コストやメンテナンス性に優れており、限定的な案内や特定業務に特化した用途に適しています。
1.3 案内ロボットの「音声対応」による分類
案内ロボットは、出力する「声」の形式や対応範囲によっても分類できます。これは、顧客とのコミュニケーションの質を左右する重要な要素です。
1.5.1 合成音声型
テキストから自動的に音声を生成する「音声合成エンジン」を使用します。近年の合成音声は自然なイントネーションを持つものも多く、ナレーションや説明など定型的な案内に向いています。合成音声は、近未来的な印象を与えることが可能です。
特徴:
- 定型文やFAQ対応に強い
- 多言語対応しやすい
- コストを抑えた無人運用が可能
1.5.2 録音音声型
事前に録音した人の声を再生するタイプです。感情表現やトーンのコントロールが可能なため、温かみや親しみを持たせたい場面に適しています。知名度のある人、影響力のある人の声を録音して活用すると、より魅力のあるサービスを提供することが可能です。
特徴:
- キャラクター性を強調できる
- 演出・演技の自由度が高い
- 更新・変更には再録音が必要
1.5.3 リアルタイム音声型(オペレーター対応)
遠隔接客型ロボットなどで使用される、人間の声をリアルタイムで届ける方式です。柔軟な対応や会話のやりとりが求められる接客に最適です。
特徴:
- 非定型の質問にも対応可能
- 顧客との自然な会話が可能
- オペレーターの品質がサービスに直結
1.4 案内ロボットの「移動方式」による分類
案内ロボットは、据置型と移動型ロボットがあります。移動型ロボットは大きく3つの種類に分類できます。
1.4.1 自動走行型ロボット
自動走行型ロボットは、あらかじめ設定されたルートを自動で走行したり、センサーで周囲の状況を認識しながら自律的に移動したりすることができます。広範囲の案内に適しており、オフィスビルや大型施設などで活躍しています。SLAM技術を搭載した機種は、環境地図を作成しながら自己位置推定と地図作成を同時に行うことができ、複雑な環境でも柔軟に対応できます。
1.4.2 追従型ロボット
追従型ロボットは、センサーを用いて特定の人物や物体を追従して移動します。工場や倉庫での搬送作業などに利用されることが多いですが、案内ロボットとして、特定の人物に追従して案内を行うことも可能です。工場や展示会などで、ユーザーと一緒に移動する案内用途に活用できます。
1.4.3 遠隔操作型ロボット
遠隔操作型ロボットは、オペレーターが遠隔地から操作することで移動を制御します。オペレーターがリアルタイムで状況を把握しながら柔軟な対応ができるため、遠隔地からの案内や監視などに活用されています。状況に応じた柔軟な対応が可能です。
1.5 案内ロボットの「対応方式」による分類
案内ロボットは、対応方式によっても分類できます。
1.5.1 AI対応型(会話型AIによる案内)
AI対応型ロボットは、人工知能を搭載しており、自然言語処理によって来訪者との会話による案内が可能です。音声認識や音声合成技術を用いて、多様な質問に対応できます。ガイドやFAQ対応なども行えます。
1.5.2 プログラム設定型(事前登録による案内)
プログラム設定型ロボットは、あらかじめ登録された情報に基づいて案内を行います。特定のルート案内や、展示物の説明などに適しています。比較的シンプルなシステムで運用できるため、導入コストを抑えることができます。展示会やミュージアムなどでの定型ガイドに向いています。
1.5.3 遠隔接客型(オペレーター対応)
遠隔接客型ロボットは、オペレーターが遠隔地からロボットを操作し、来訪者とコミュニケーションをとることができます。ロボットに搭載されたカメラやマイクを通じて、オペレーターが来訪者の様子を確認しながら、きめ細やかな対応が可能です。なお、オペレーターに限らず、遠隔地にいながら現地で顧客対応を行う必要がある場合には、社員が遠隔からロボットを活用するケースもあります。
1.6 案内ロボットの活用事例
案内ロボットは、様々な場所で活用されています。主な活用事例は以下の通りです。
場所 | 活用例 |
---|---|
商業施設 | 施設内の案内、店舗情報の提供、クーポン配布、スタンプラリー |
オフィス | 来客対応、会議室への案内、社内情報の提供、オフィスツアー |
病院 | 診察室への案内、待ち時間情報の提供、医療情報の提供 |
博物館・美術館 | 展示物の説明、館内案内、音声ガイド |
イベント会場 | 会場案内、イベント情報の提供、参加者受付、集客呼び込み |
2. 案内ロボットを導入するメリット
案内ロボットを導入することで、企業は様々なメリットを享受できます。人手不足の解消や顧客満足度の向上、そして企業イメージのアップなど、多岐にわたる効果が期待できます。ここでは、案内ロボット導入による主なメリットを3つの観点から解説します。
2.1 業務効率化によるコスト削減
案内ロボットは、遠隔接客型を除き、24時間365日稼働することが可能です。そのため、人材不足が深刻化する現代において、従業員の負担を軽減し、業務効率を大幅に向上させることができます。例えば、案内業務をロボットに任せることで、従業員はより複雑なタスクや付加価値の高い業務に集中できます。そして、従来は新しい従業員への教育をする必要があるものをロボットに任せることで、教育コストをうかすことができます。また、休憩や休暇の取得も柔軟になり、従業員のワークライフバランスの改善にも繋がります。結果として、人件費の削減にも貢献し、中長期的なコスト削減効果を見込むことができます。
さらに、案内ロボットは正確な情報を提供するため、人為的なミスを減らすことができます。案内業務におけるミスの削減は顧客満足度の向上に繋がり、クレーム対応などのコスト削減にも繋がります。
遠隔接客型の案内ロボットの場合は、在宅勤務や地方在住の人も働けるため、採用できる人材の幅が広がるというメリットもあります。
2.2 顧客満足度の向上
案内ロボットは、遠隔接客型を除き、常に一定のサービスレベルを維持することが可能です。従業員の体調や感情に左右されることなく、安定した接客を提供することで、顧客満足度の向上に貢献します。また、多言語対応可能なロボットであれば、外国人観光客への対応もスムーズに行え、より幅広い顧客層へのサービス提供を実現できます。接客スタッフが不足しても、案内ロボットが一部の業務を代行することで、全体のサービス品質を維持できます。
さらに、案内ロボットはエンターテイメント性も高く、顧客に新鮮な体験を提供できます。ロボットとのインタラクションは、顧客の記憶に残りやすく、企業への好印象に繋がります。特に、子供連れの顧客にとっては、ロボットとの交流は大きな魅力となり、リピーター獲得にも繋がることが期待できます。
メリット | 詳細 |
---|---|
安定したサービス提供 | 正確かつ均一な対応 |
24時間365日対応 | 時間外対応による顧客満足度向上 |
多様なニーズへの対応 | 多言語対応、施設PRなど |
2.3 企業イメージの向上
案内ロボットの導入は、企業の革新性や先進性をアピールする効果的な手段となります。最新のテクノロジーを積極的に活用する姿勢を示すことで、企業イメージの向上に繋がり、競合他社との差別化を図ることができます。また、ロボットによる効率的な業務運営は、企業の信頼性を高め、ビジネスチャンスの拡大にも繋がります。
特に、サステナビリティに配慮した企業活動が求められる現代において、案内ロボットの導入は環境意識の高さをアピールする有効な手段となります。省人化によるエネルギー消費の削減は、企業の社会的責任を果たすことにも繋がり、ステークホルダーからの評価向上に貢献します。
3. 案内ロボットを導入するデメリット
案内ロボットの導入には、メリットだけでなくデメリットも存在します。導入前にデメリットを正しく理解し、対策を検討することで、スムーズな運用を実現できるでしょう。
3.1 導入コスト
案内ロボットは、本体価格以外にも様々な費用が発生します。例えば、設置費用、ソフトウェア費用、カスタマイズ費用などです。オリジナルのアバターを採用する場合は、アバター制作費用も必要です。また、導入前にネットワーク環境の整備が必要になるケースもあり、別途費用が発生する可能性があります。
3.2 運用コスト
案内ロボットの運用には、継続的なコストが発生します。例えば、システム利用料、保守費用、電気代などです。また、故障やトラブル発生時の修理費用も考慮しておく必要があります。ロボットによっては、定期的なメンテナンスやソフトウェアのアップデートが必要になる場合もあり、その費用も運用コストに含まれます。遠隔接客型の案内ロボットの場合は、人件費もかかります。
費用項目 | 内容 |
---|---|
システム利用料 | クラウドサービス利用料、音声認識・AI機能利用料、アバター制作料など |
保守費用 | 定期点検、修理対応、ソフトウェアアップデートなど |
電気代 | ロボットの稼働に必要な電力費用 |
その他 | 故障時の修理費用など |
3.3 導入環境の整備
案内ロボットを導入するには、設置場所の環境整備が必要になります。例えば、ロボットの移動経路を確保したり、Wi-Fiなどのネットワーク環境を整備したりする必要があります。特にWi-Fi環境が十分に整っていない場合は、SIMカードを内蔵しモバイル回線で通信できるタイプのロボットがおすすめです。また、ロボットによっては、充電設備の設置や、段差や障害物を除去するなどの準備が必要になる場合もあります。導入前に設置場所の環境を十分に確認し、必要な工事や設備投資を行うことが重要です。
3.3.1 屋内
屋内導入の場合は、照明の明るさ、床材の種類、通路の幅といった要素に配慮する必要があります。特に段差や障害物が多い環境では、ロボットの移動がスムーズに行えないことがあります。また、人の往来が多い場所では、ロボットと人の接触事故を防ぐための安全対策も欠かせません。
3.3.2 屋外
屋外や野外での導入は技術的なハードルが高く、天候の影響を強く受けます。雨風や直射日光により、ロボットの動作やセンサーに支障が生じる可能性があるため、防水・防塵性能や耐候性が求められます。また、屋外では盗難や破壊行為(vandalism)のリスクも増すため、十分なセキュリティ対策が必要です。
3.4 トラブル発生時の対応
案内ロボットは機械であるため、故障やトラブルが発生する可能性があります。例えば、システムエラー、センサーの誤作動、バッテリー切れなどです。トラブル発生時には、迅速な対応が必要となります。メーカーのサポート体制を確認しておいたり、代替手段を準備しておいたりすることで、トラブル発生時の影響を最小限に抑えることができます。
4. 案内ロボットの選び方のポイント
案内ロボットは多様な種類があり、それぞれ機能や価格が大きく異なります。自社のニーズに合ったロボットを選ぶためには、設置場所の環境、必要な機能、導入費用を総合的に検討することが重要です。最適な案内ロボットを選ぶためのポイントを以下で詳しく解説します。
4.1 設置場所の環境
案内ロボットの設置場所の環境は、屋内屋内であれば、床面の状態や段差の有無、障害物の配置などを考慮する必要があります。設置前には環境を十分に確認し、ロボットが安定して稼働できる状態を整えることが重要です。
4.1.1 屋内
屋内設置の場合、以下のような点をチェックしましょう。
費用項目 | 内容 |
---|---|
床面の状態 | カーペット、タイル、コンクリートなど、ロボットがスムーズに移動できるかを確認します。特に、段差はほぼないフラットな環境が望ましく、ロボットが乗り越えられる段差の高さにも注意が必要です。 |
階段の有無 | 階段がある場合は、複数階やエリアごとにロボットを分けて設置する事例もあります。段差や階段を無理に移動させることは避け、安全な環境づくりを心がけましょう。 |
障害物の配置 | ロボットが安全かつスムーズに動作できるように、通路の幅や障害物の配置を調整します。人が多く行き交う場所では接触防止策も重要です。 |
通信環境 | 案内ロボットの通信環境は、Wi-FiモデルかSIM内蔵モデルかによって異なります。Wi-Fi環境が整っていれば問題ありませんが、屋内でも通信が不安定な場所ではSIMモデルの活用が推奨されます。 |
電源 | ロボットのバッテリー充電ができるよう、適切な充電設備の設置場所を確保しましょう。 |
4.1.1 屋外
現時点では、日本国内において日光が直接当たる完全な屋外や自然環境(野外)での案内ロボットの商用活用事例は非常に限られています。多くは屋根付きの半屋外環境や日陰の多い屋外空間での実証実験や部分的な活用にとどまっており、完全野外での活用は推奨されていません。(2025年5月時点)
4.2 必要な機能
案内ロボットには様々な機能が搭載されています。必要な機能を明確にすることで、最適な機種を選ぶことができます。
4.2.1 案内・対話機能
機能 | 説明 |
---|---|
音声案内 | 音声による案内機能の有無、音声合成の自然さ、聞き取りやすさ |
多言語対応 | 対応言語数、言語切り替えの可否 |
AI連携 | 会話型AIとの連携による自然な対話、FAQや問い合わせ対応の自動化 |
タッチパネル操作 | タッチパネルの有無、サイズ、操作性、表示コンテンツのカスタマイズ性 |
コンテンツ再生機能 | 動画・画像・音声などの再生機能、プロモーションや商品説明に活用可能 |
4.2.2 移動・操作機能
機能 | 説明 |
---|---|
自律移動 | SLAM技術の有無、地図作成・自己位置推定精度、目的地までの自動誘導 |
障害物検知 | 赤外線・LiDARなどのセンサー搭載有無、衝突回避の安全性 |
遠隔操作 | 遠隔からのリアルタイム操作可否、操作方法(PC/スマホアプリ等)、通信安定性 |
スケジュール管理/自動運行 | 指定時間・ルートに基づいた定期巡回・案内の自動実行が可能か |
4.2.3 ハードウェア性能
機能 | 説明 |
---|---|
バッテリー性能 | 稼働時間、充電時間、自動充電ドックの有無 |
ネットワーク接続性 | Wi-Fi、4G、5Gなどの通信手段、安定性とエリア制限の有無 |
設置環境適応性 | 屋外利用対応の有無、防塵・防滴性能、段差や傾斜路の対応性 |
4.2.4 デザイン・導入性
機能 | 説明 |
---|---|
デザイン・ブランド性 | 外観デザインの印象、施設やブランドイメージとの親和性 |
価格・ランニングコスト | 初期導入費用、レンタルプラン、保守サポートの有無と価格感 |
4.3 導入費用
案内ロボットの導入費用は、本体価格だけでなく、システム利用料や保守費用なども考慮する必要があります。予算に合わせて最適な機種を選びましょう。
導入費用は、本体価格に加えて、システム利用料(クラウドサービス利用料など)や保守費用(メンテナンス費用、故障時の修理費用など)やカスタマイズ費用が発生する場合があります。オリジナルのアバターを採用する場合は、アバター制作費用も別途必要となります。また、導入前にネットワーク環境を整備する必要がある場合、そのための費用も発生することがあります。
導入後の運用に関しても、継続的なコストを考慮することが重要です。例えば、システム利用料(クラウドサービス利用料など)、保守費用(メンテナンス費用や故障時の修理費用)、電気代などが挙げられます。ロボットによっては定期的なソフトウェアアップデートやメンテナンスが必要となり、それらの費用も運用コストに含まれます。また、遠隔接客型の案内ロボットの場合は、人件費も発生します。
4.3.1 本体価格
本体価格はロボットの機能や性能によって大きく異なります。シンプルな機能のものは比較的安価ですが、高度な機能やカスタマイズを施したロボットは高額になる傾向があります。
4.3.2 システム利用料
クラウドサービスを利用する場合は、月額または年額でシステム利用料がかかる場合があります。サービス内容や利用頻度に応じて料金は変動するため、事前に詳細を確認しておきましょう。
4.3.3 保守費用
ロボットの定期メンテナンスや故障時の修理には保守費用がかかります。保守契約の内容や料金体系を確認し、長期的な運用コストを正確に把握しておくことが大切です。
5. 案内ロボットの価格相場
案内ロボットの価格は、活用シーンによって価格帯が大きく異なります。ここでは代表的なロボット製品をもとに、低価格帯・中価格帯・高価格帯の3つに分けて、その特徴と価格感を紹介します。レンタルもありますが、本記事では「購入」を前提とした価格帯をご紹介します。初期費用の目安としてご参照ください。
5.1 低価格帯(100万円以内)
低価格帯の案内ロボットは、数十万円から百万円程度で利用できます。主に、タブレット端末を搭載したスタンド型ロボットや、シンプルな音声案内機能を搭載したロボットがこの価格帯に該当します。導入コストを抑えたい場合や、限定的な機能で十分な場合に適しています。遠隔コミュニケーションや簡易的な案内を実現したい企業・施設におすすめの価格帯です。
-
kubi(クビー)
タブレットを取り付けて首振り操作が可能なコンパクトな遠隔操作ロボット。無料のアプリケーションを活用すれば、iPad本体を含めても30万円以内での永年利用が可能です。手軽に“遠隔に顔を出せる”環境を整えられます。 -
OriHime(オリヒメ)
遠隔地の人が自分の分身として会話やジェスチャーができる分身ロボット。温かみのあるコミュニケーションが可能で、永年利用で約80万円前後が目安です。学校や福祉施設などでも導入実績があります。
5.2 中価格帯(約100〜300万円)
中価格帯の案内ロボットは、人間のようなフォルムを持つ“自立型の大型ロボットで、100万円から300万円程度(三年利用比較)で利用できます。受付や施設内移動を含む本格的な案内・接客に適しています。音声対話、多言語対応などの高度な機能を備えており、ロボットによっては、自律移動も可能です。
-
temi(テミ)
現行モデルはtemi V3。自律移動、双方向の映像通話、プログラムを活用した自動案内、AI音声対話などを備えた多機能モデル。人のようなフォルムが特徴。利用価格は約250万円(3年利用)で、商業施設、オフィス、工場など幅広い現場で活躍しています。 -
Pepper(ペッパー)
親しみやすい人型ロボットで、表情や音声による接客や案内が可能。利用価格は数百万円規模で、ソフトウェア開発や保守契約により価格が変動します。イベント・受付などで広く使われています。
5.3 高価格帯(約300万円~1,000万円)
高価格帯の案内ロボットは、約300万円以上で利用ができます。高価格帯のロボットは、拡張性そして移動性能に優れたモデルで、自立型の大型ロボットが該当します。
- temi GO(テミ ゴー)
temi V3をベースに、拡張された上位モデル。遠隔操作機能、自律移動に加え、移動中の大容量の運搬が可能な点が特長です。資料・機材などを載せて現場内を移動するなど、「案内+運搬」の二役を担うロボットです。購入価格は約450万円(3年利用想定)。工場・物流・大型商業施設など、業務効率化が求められる現場が向いています。
価格帯 | 価格相場(購入) | 主な対象ロボット | 主な特徴 |
---|---|---|---|
低価格帯 | 数十万円~100万円 | kubi、OriHime | 遠隔操作、簡易案内、分身対話 |
中価格帯 | 約100万円~300万円* | temi V3、Pepper | AI対話、多言語対応 、自律移動(temi) |
高価格帯 | 約300万円*~ | temi GO | 遠隔操作+運搬、業務連携、法人向け高拡張性表注釈*3年利用料金参照 |
*3年利用料金参照
上記はあくまで目安であり、実際の価格はロボットの機能や性能、メーカー、導入規模などによって大きく変動します。また、導入後の運用コストやメンテナンス費用も考慮に入れて、総合的な費用対効果を検討しましょう。
6. おすすめ案内ロボット機種を徹底比較
様々な案内ロボットが市場に存在する中で、それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合った機種を選ぶことが重要です。ここでは、代表的な案内ロボットをいくつか比較紹介します。
6.1 kubi

Revolve Robotics社が開発したkubi(クビー)は、iPadなどのタブレット端末を装着し、遠隔操作で首振り動作をさせることができるシンプルなテレプレゼンスロボットです。ビデオ会議システムやアプリと組み合わせることで、遠隔地からの参加者も周囲を見渡せるようになり、より臨場感のあるコミュニケーションを実現します。通信にはタブレットのカメラ、マイク、スピーカーを活用し、安価で導入しやすい点が魅力です。案内ロボットとしては、遠隔操作による簡易的な案内に適しています。移動機能はありません。
項目 | 詳細 |
---|---|
移動方式 | 据置型ロボット(首振りのみ) |
対応方式 | 遠隔接客型 (顔出し通話+首振り/分身ロボットとしてPCから操作) |
得意な業務 | 遠隔接客、遠隔受付、オンライン面談、教育現場でのリモート参加 |
価格帯(購入) | 低価格帯/約30万円以内(本体+iPad+永年利用)※無料アプリ利用前提 |
特徴 | 小型・卓上型で省スペース。初期費用が安く導入しやすい、気軽に「顔の見える案内」が可能 |
6.2 OriHime

オリィ研究所が開発したOriHimeは、遠隔操作で操作できる分身ロボットです。小型で持ち運びやすく、カメラ、マイク、スピーカーを搭載しており、遠隔地からコミュニケーションを取ることができます。身体的な制約がある人や遠隔地にいる人が、社会参加するためのツールとして活用されています。案内ロボットとしては、遠隔接客に特化しており、ユーザーとの双方向コミュニケーションを重視する場面に最適です。モニターもなく、移動はできませんが、その存在感と社会的な意義から注目を集めています。
特徴 | 詳細 |
---|---|
移動方式 | 据置型ロボット(首振り/ 手振りなど) |
対応方式 | 遠隔接客型(分身ロボットとしてPCから操作) |
得意な業務 | 遠隔接客、在宅勤務支援、教育・福祉現場でのリモート参加 |
価格帯 | 低価格帯/約80万円(本体+永年利用) |
特徴 | 分身型ロボットとして「存在感」や「対話重視」のコミュニケーションが得意。顔出しはなし。 |
6.3 Pepper

ソフトバンクロボティクスの人型ロボット「 Pepper」は、広く知られています。表情認識や音声認識機能を搭載し、自然なコミュニケーションが可能です。受付や案内、プレゼンテーションなど、様々なシーンで活用されています。ただし、自走機能は備わっていません。
「Pepper」はソフトバンクロボティクスの商標です。
特徴 | 詳細 |
---|---|
移動方式 | 据置型ロボット(首振り/ 手振りなど) |
対応方式 | プログラム設定型 |
得意な業務 | 店舗接客、イベント受付、観光案内 |
価格帯 | 中価格帯/数百万円(3年運用の場合・プランにより変動) |
特徴 | 表情やしぐさでの対話が得意なエンタメ性の高いロボット。高認知度で話題性もありPRに有効 |
6.4 temi

temiは、自律走行機能を備えたAI搭載の案内ロボットです。音声認識、顔認識、自然言語処理などの機能を備え、高度なコミュニケーションが可能です。また、遠隔操作にも対応しており、必要に応じてオペレーターが遠隔から操作することもできます。多言語対応、案内、広告表示など、多様な機能を備えており、商業施設、病院、オフィスなど、様々な場所で活用されています。AI対応型、プログラム設定型、遠隔接客型のすべてに対応できる柔軟性も強みです。
特徴 | 詳細 |
---|---|
移動方式 | 自動走行型(SLAM技術によるマッピングと自律走行) |
対応方式 | AI対応型、プログラム設定型、遠隔接客型 |
得意な業務 | 工場案内、観光ガイド、ショールーム案内、オフィス案内、リモート巡回、広告表示 |
価格帯 | 中価格帯/約250万円(3年運用の場合) |
特徴 | 現行モデルは「V3」。多言語音声案内・自律移動・通話・動画表示など多機能。オフィスや自治体にも導入実績多数 |
6.4 temi GO
temiGOは、自律走行機能を備えたAI搭載の案内ロボットです。音声認識、顔認識、自然言語処理などの機能を備え、高度なコミュニケーションが可能です。また、遠隔操作にも対応しており、必要に応じてオペレーターが遠隔から操作することもできます。多言語対応、案内、広告表示など、多様な機能を備えており、商業施設、病院、オフィスなど、様々な場所で活用されています。AI対応型、プログラム設定型、遠隔接客型のすべてに対応できる柔軟性も強みです。
特徴 | 詳細 |
---|---|
移動方式 | 自動走行型(SLAM技術によるマッピングと自律走行) |
対応方式 | AI対応型、プログラム設定型、遠隔接客型 |
得意な業務 | 工場案内、観光ガイド、ショールーム案内、オフィス案内、リモート巡回、広告表示 |
価格帯 | 中価格帯/約250万円(3年運用の場合) |
特徴 | 現行モデルは「V3」。多言語音声案内・自律移動・通話・動画表示など多機能。オフィスや自治体にも導入実績多数 |
上記以外にも様々な案内ロボットが存在します。それぞれの機能や価格帯を比較検討し、自社のニーズに最適なロボットを選びましょう。
7. 案内ロボット導入事例
ここでは、様々な業界における案内ロボットの導入事例を紹介します。案内ロボットは業務の効率化や顧客体験の向上に貢献しており、その活用方法は業界や施設の目的によって多岐にわたります。
中でも、自律移動機能とビデオ通話機能を備えた「temi」は、実際に多くの現場で導入されており、豊富な活用事例があります。医療機関や工場、ショールーム、観光施設、オフィスなど、幅広いシーンでの活用が進んでおり、遠隔接客や自動案内、オンラインガイドとしての運用など、その柔軟性と即戦力ぶりが評価されています。
ここでは、特に導入事例の多いtemiの活用実績を中心にご紹介していきます。
7.1 工場施設
工場施設では、案内ロボットは顧客サービスの向上と業務効率化に貢献しています。例えば、工場案内における活用事例を見てみましょう。
7.1.1 工場案内における活用事例
大阪府和泉市にある全星薬品工業株式会社の和泉工場では、自社の工場見学ツアーガイドとして、テレロボ temi が採用されています。顧客への工場案内のほかに、社員教育や採用活動にも活用されています。
機能 | 活用方法 | 効果 |
---|---|---|
AI音声移動案内 | 工場を見学者と共に、移動しながら製造工程など施設を案内外国人顧客向けに、工場の製造工程案内を多言語音声で提供 | 顧客の注目を集め、スムーズな誘導を実現 |
モニター表示 | モニターに当日機械が稼働していないエリアの動画を再生したり、移動中ロボットの顔を表示 | 顧客の注目を集め、親しみを抱く仕掛け |
多言語対応 | 外国人顧客向けに、工場の製造工程案内を多言語音声で提供 | 外国語が話せないスタッフでも案内可能 |
7.2 ミュージアム
企業ミュージアムや博物館において、案内ロボットの導入が増えています。お客様を迎える顔にロボットが案内することで、施設の先進性も来場客にアピールする効果があります。AI音声を利用するだけではなく、例えば館長の声や映像を使用することで、擬似的にその人に案内を受ける体験を提供することができます。
7.2.1 企業ミュージアムにおける活用事例
ある大手建設グループの企業ミュージアムにおいて「temi」は、ミュージアムのアテンダント補助役として活躍し、展示エリアへの順路誘導や説明など、アテンダントとインタラクティブな掛け合いを行い、来館者に新しいミュージアム体験を提供。また、同じフロアにある社員が利用する会議室への飲み物配送役としても活用され、業務効率化にも貢献します。
機能 | 活用方法 | 効果 |
---|---|---|
AI音声自動案内 | ミュージアムツアーをアテンダントと共に実施 | インタラクティブなツアー体験 |
飲物運搬 | 会議室への飲物を自動運搬 | スタッフの業務効率化 |

7.3 オフィス
オフィスビルや企業受付において、案内ロボットの導入が増えています。お客様を迎える顔にロボットを置くことで、企業の先進性も来場客にアピールする効果もあります。
7.3.1 オフィスビルにおける活用事例
来訪者の受付や会議室へのドリンク提供、オフィスツアーなど、temiを多目的に活用することで、業務効率とサービス品質の両立を実現しました。
機能 | 活用方法 | 効果 |
---|---|---|
AI音声自動案内 | オフィスツアーを実施 | 受付スタッフの業務効率化、質の標準化、顧客満足度の向上 |
AI音声自動案内 | ロボットのタッチパネルから会議室への移動案内 | 受付スタッフの業務効率化 |
飲物運搬 | 来客者への飲物を自動運搬 | 受付スタッフの業務効率化 |


※本動画は実際の導入現場を撮影した非公開コンテンツです。
フォームに必要情報をご入力いただいた方限定で視聴リンクをお送りします。
7.4 イベント / MICE
BtoCイベントだけではなく、BtoB展示会でも、案内ロボットは集客要員としても活躍しています。近年ではAIを活用した案内を導入することで幅広い案内業務を可能としています。
7.4.1 イベントにおける活用事例
アジア最大級のスタートアップイベント「Takeoff Tokyo 2025」では、テレロボット「temi」6台が活躍しました。来場者の歓迎アナウンス、ドリンク配布、参加企業の紹介、さらには多言語AIによる海外ゲスト対応としても利用されました。
機能 | 活用方法 | 効果 |
---|---|---|
AI音声自動案内 | 会場入り口で来場者を自動で検知し、歓迎メッセージを再生 | ホスピタリティの向上、イベントの印象強化 |
ディスプレイによる案内 | 出展企業の紹介動画を再生し、音声で説明 | 出展内容の理解促進、企業認知の向上 |
ドリンクホルダー・運搬機能 | 来場者に対し、temiが移動しながらドリンクを配布 | スタッフの業務負荷軽減、来場者へのサービス提供の効率化 |
多言語対応AIアシスタント | 英語や中国語などでの質問対応や施設案内 | 海外ゲストへのスムーズな対応、国際イベントとしての満足度向上 |
8. まとめ
案内ロボットは、業務効率化や顧客満足度向上に貢献する効果的なツールです。案内ロボットは、用途や環境に応じて様々な選択肢がありますが、「移動型+自律案内+多言語対応」の機能を備えたtemiは、多くの現場でその柔軟性と実用性が評価されています。実際の活用例や、導入のご相談は以下からお気軽にどうぞ。