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iPresenceシステム開発事例|デジタルツイン溶接FAロボシステム開発!誰もがロボットと働ける未来へ一歩前進!

システム開発事例|デジタルツイン溶接FAロボシステム開発!誰もがロボットと働ける未来へ一歩前進!

日本全国にコミュニケーションロボットを提供するシステムインテグレータであるiPresence株式会社は、自社の開発部を保有しています。例えば、当社はテレプレゼンスアバターロボットtemiのシステムに追加の機能を開発するなど、既存の製品だけでは実現できないお客様の要望に応じた追加機能の開発を行っております。また、お客様が実現したい目標に向け、担当コンサルタントと開発部スタッフが一丸となり、提案から開発、そして導入サポートまでをトータルにサポートしています。

今回は、iPresence株式会社の開発部が豊富な経験と知見を有するデジタルツイン分野の画像処理技術やロボットシステム開発技術を活かし、他社のロボットシステムの開発にも携わった成功事例をご紹介いたします。

      \テレロボットにこんな機能追加出来る?/

「誰でも溶接ができる」溶接FAロボットの遠隔操作システムを開発!( 事例:高丸工業株式会社様 )

1963年創業の老舗のロボットシステムインテグレータである高丸工業株式会社では、「産業用ロボットの操作を一般的なPCを用いて遠隔で誰でも簡単にできるシステム」の開発を長年目指していました。

それは、過去に面談した遠隔操作ロボットの研究者が、効率化や省人化を第一の目的とせず、各種の技能を補う装置としてロボットを利活用するロボットを研究されており、「これこそが技能工の確保、技術技能の伝承、3K業務からの脱却等を課題としている中小企業に適した開発である」と感銘を受け、以来「将来のロボットは遠隔操作方式になるべきだ」と考え、溶接*や、精度が必要な穴あけや塗装作業のような技能が必要な分野を視野に、長年本開発に取り組んできました。
*溶接とは:金属を溶かしてから再度固めることによって、金属同士を接合する加工方法のこと。

 

技能者でなくても、誰でも溶接できる遠隔ロボット操作システムの開発へ、iPresence株式会社 太田CTOがプロジェクトに参画

遠隔ロボット操作システム開発の第一歩として、高丸工業株式会社ではまずは溶接ロボットの開発に着手しました。技能者でなくても、誰でも溶接*できる遠隔ロボット操作システムを開発するべく、2020年に現体制の開発プロジェクトを発足。高丸工業株式会社の髙丸泰幸プロジェクトリーダーの元、拡張現実感技術と自由視点合成技術を研究されていた慶應義塾大学理工学部 杉本研究室/齋藤英夫研究室とともに、実ロボットの遠隔操作を中心とした研究開発に関して、ロボットシステムとデジタルツインの開発実績がある、iPresence株式会社が担うこととなりました。
*本研究開発は、経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業 JPJ005698の助成を受けたものです。

【iPresence株式会社 太田崇博CTO(取締役技術統括) 】ロボットシステムやデジタルツイン開発に必要な画像処理技術について知見が豊富

iPresence株式会社 太田崇博CTO(取締役技術統括)

iPresence株式会社の太田崇博CTO(取締役技術統括)がシステム開発の責任者を担当し、慶應義塾大学理工学部 杉本研究室/齋藤英夫研究室の方々には、実環境上のロボット座標系とデジタルツイン上のカメラ座標系の重ね合わせの技術サポートをして頂きました。そして、既存の産業用ロボットメーカーのソフトを活用して、産業用ロボットが「遠隔*で、誰でも簡単に操作ができて、各種の技能を補う役割を担う」ことを目標として開発開始しました
*遠隔とは:今回は遠隔操作する場所は、高丸工業株式会社の事務所から操作することを想定

詳細プロフィールはこちら>太田崇博CTO

従来の産業用ロボット操作ソフトは、技能者による操作が必要

産業用ロボットに作業を行わせるには「ティーチング」が必要です。ティーチングとは「ロボットに作業を実行するために情報を指示し、記憶させること」で、ロボットの動作の順序、位置、速度を設定、変更もしくは確認する作業のことで、各ロボットメーカーによって操作入力装置が異なります。実用化されているティーチングには、ダイレクトやオフラインなど複数の方法がありますが、いずれも実ロボットを用いたティーチング作業は危険が伴うため、ロボット安全特別教育を受講した技能者が作業する必要な工程がありました。

本来現場で技能者が行う作業でも、技能者以外が遠隔地から産業用ロボットを操作して作業が可能に!

技能者以外が遠隔地から産業用ロボットを操作するために、本プロジェクトでは各産業用ロボットメーカーのティーチングソフトに接続する、デジタルツイン空間を構築しました。このデジタルツイン空間には、実際の現場にあるリアルタイムの産業用ロボットと溶接対象の映像が表示され、各ティーチングソフトも自動合成されます。マウスドラッグで産業用ロボットを移動したいポイントへ操作して、問題なければ現場のロボットに同じような動作を実行させます。事務所にいるスタッフは、このデジタルツイン空間でロボットを遠隔操作することで、実際のロボットを用いて溶接が可能になりました。

その結果溶接経験がない事務所にいるスタッフでも、事務所のパソコンとディスプレイを使って1日2日の練習で遠隔溶接ができるように。溶接未経験者でも「安全な事務所でPCを用い、直感的かつ簡単な操作で、高品質に溶接作業が遂行できる」という、産業用ロボットの新たな機能を発現させました。

現場の操作ロボットと遠隔地(事務所)を繋ぐデジタルツインを開発!

開発のポイント1:異なるメーカーのロボットでも同じ操作で作業可能!それぞれのメーカーが提供するティーチングソフトにデジタルツインを接続して遠隔操作へ

高丸工業株式会社は、産業用ロボットシステムインテグレーターとして数多くのメーカーのロボットを取り扱っています。今回ロボットメーカーが提供しているティーチングソフトに接続できる、ロボットの遠隔操作用デジタルツイン空間を構築しましたが、1つのメーカーのソフトに対応するのではなく、幅広いメーカーのものに対応することで作業者の学習コストを抑えることに成功しました。

 

開発のポイント2:リアルタイムに反映する、高精度の遠隔操作デジタルツイン環境を実現!その場にいるようなスムーズな作業へ

これまでの産業用ロボットの遠隔作業では、精度の問題がつきものでした。メーカーが提供する既存のロボットシミュレーターだけでは、実際に溶接したいものにロボットが接しているのか分からない面があり、現場で確認するという作業が発生することがありました。

ロボット目線カメラ画像とティーチングソフトをリアルタイム合成


そこを補うために現場ではロボット目線カメラを多数配置。リアルタイムで送られてくる映像をロボットティーチングソフトに合成することで、位置情報の修正を行い、高精度の遠隔作業が可能なデジタルツイン空間を構築することに成功しました。この空間は、実際の作業現場に設置しているカメラからリアルタイムで送られてくる画像を正確な尺度で重ねて表示されます。遠隔地での溶接作業が、まるでその場にいるかのような滑らかさで実現可能になりました。

【この記事でご紹介した方々】
高丸工業株式会社:https://www.takamaru.com/
慶應義塾大学理工学部 杉本研究室:https://im-lab.net/
慶應義塾大学理工学部 齋藤英夫研究室:http://www.hvrl.ics.keio.ac.jp/

      \追加機能を付けて自社で使いたい/

テレプレゼンスアバターロボット、デジタルツイン技術で活躍のフィールドを広げる

テレプレゼンスアバターロボットは、この度のデジタルツイン技術を駆使することで活躍のフィールドが広がります。例えば、遠隔操作の前段階としてロボットシミュレーションを実施することで、現場の複雑な状況においても安全性と効率性を高める新たな可能性が広がっています。例えば、狭いスペースや複雑な移動環境においても、安心して活用することができます。

物理的な距離を克服し、現実世界と仮想世界をシームレスにつなぐこの技術研究は、産業界において大きな効率向上と作業の精度向上をもたすことができました。今後もiPresenceは研究開発を行い、先進技術の追求を続けてまいります。

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