テレロボットtemi 導入事例|(株)奥村組 クロスイノベーションセンター|ロボットと共に働く未来に向けて
導入企業 |
従業員数 | 業種 | 目的・使い方 |
2,000〜2,500名 | 建設業 | ロボット活用の意識改革 / オフィスツアー / アナウンス(時刻) |
・多目的に活用できて、カスタマイズできるアバターロボットを求めていた
大手総合建設会社、株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区)は産官学民の技術者等との分野を超えた交流・連携を行う拠点として、2023年10月に新オフィス「クロスイノベーションセンター」をJR東京駅のすぐそばに開設。開設にあたってtemi V3を導入しました。
クロスイノベーションセンターの立ち上げ責任者で、temi V3の導入を決めた稲留康一氏(技術本部技術戦略部イノベーション担当部長 兼 DX・イノベーション課長)と、temi V3の導入・活用検討チームの大角藤子氏、黒﨑梨沙氏、篠原桃果氏に導入背景をインタビューさせて頂いたのが今回の記事です。
導入の背景:ロボットが身近にいる社会を見据えて
______ temi V3を導入したきっかけは何でしたか。
稲留氏:
新しいオフィスを開設するにあたっては、何か新しいものを採り入れたいという思いがあり、「ロボット」の導入を検討し始めました。
ロボットを導入するなら、警備や掃除といった用途に限定されるものではなく、ある程度自分たちでカスタマイズが可能で、多目的に活用出来るものが良いと漠然と考えていました。
______ そんな中、iPresenceが展示していたtemiに出会ったわけですね。
稲留氏:
はい。展示会でtemiは遠隔コミュニケーションロボットとして紹介されましたが、遠隔コミュニケーションだけに特化しているわけではないと感じました。temiにはカメラが搭載されており、設定した経路にある障害物を検知しながら巡回することができます。その機能を生かした様々な用途があるのではないかと考えました。
______ 新しいオフィス開設と共に、temiの運用が始まりましたね。
稲留氏:
このオフィスは『人と技術の未来創造拠点』というコンセプトを持っています。ここで新しい取り組みを始めていくわけですが、まずは人が変わらないと何も生み出せないと考えています。近い将来、ロボットが身近にいるのが当たり前の社会になることを見据え、まずは、ロボットを導入して体験することで、今後どのように関われるのか探求していきたいと考えています。このように、時代の変化に柔軟に対応していくことで、人は変わることができるのだと思っています。
導入開始:社内で動かすと、次々とアイデアが生まれた
______ どのように導入を進めていったのでしょうか。
稲留氏:
展示会で見つけた後、すぐにiPresenceからデモ機を1週間レンタルしました。他の部署から若手メンバーを募り「導入・活用検討チーム」を結成し、社内でのtemi活用に関する議論を行うことにしました。
導入・活用検討チーム 大角氏:
「1週間レンタルするから活用方法を探してみて」といわれ色々試してみました。当初は、temiに計測機器を備え付けて、オフィス内を巡回させることでデータ収集をすることくらいしか想定していませんでしたが、実際に触れてみたことで様々なアイデアが浮かびました。障害物を検知して避ける動作をみて、まずはオフィスツアーに活用できるのではないかと感じました。
______ まずは実際に動かすことで、活用アイデアが生まれてきたのですね。
稲留氏:
オフィスツアーでの活用アイデアが生まれたことで、temiの導入を決定しました。ただ、オフィスツアーだけの用途だと、稼働しない時間が多く、何か他の活用方法が無いかと探していたところ、さらなる提案がありました。
導入・活用検討チーム 篠原氏:
このオフィスにはあえて時計を設置していないのですが、せめて区切りの時間だけでも分かるようにしてほしいとの社員からの要望もあったので、時報代わりにtemiを動かすことを提案しました。朝、昼、夕方の一定時刻になるとtemiがオフィスの中を動き回り、時刻を案内するように設定しています。巡回時の音楽やtemiの装飾は季節に合わせて変えています。
稲留氏:
このような使い方をすることで、ここのフロアで働いている社員に、ロボットの存在が当たり前だと感じてもらいたいと考えています。そして、「temiにこんなことをさせたらいいかも」と、様々なアイデアを提案してくれることを願っています。まずは、所属部署の垣根を越えた検討チームで、新たな活用方法を考案し実施することを繰り返しています。
______ 活用アイデアが膨らみますね。
稲留氏:
そうですね。あとは非常時に役立てられると良いですね。例えば、自然災害などの発生により、総務や人事、施設管理担当者が会社に来られない時でも、スマホのボタンを押すと、temiが指定されたエリアを巡回してオフィス内に異常がないかを確認するといった使い方です。また、オフィスに一人で働いている社員が急病などで倒れた場合、発見が遅れると命に関わる可能性もありますので、temiが監視巡回して安否確認の初期対応ができれば、管理職としては大変ありがたいですね。
temi導入・活用検討チームメンバーの声
______ temiの導入に関わって、いかがでしょうか。
導入・活用検討チーム 篠原氏:
temiのオフィスツアーの案内音声は、私の声で収録しました。このオフィスは、これまで交流することが少なかった3つの部門の社員がワンフロア、しかもフリーアドレスで働いているので、面識がない人も多く、話すきっかけが掴めませんでした。ですが、このtemiでのオフィスツアーの案内音声が流れると、「この声、篠原の声だね」と今まであまり話をしたことのない社員からも声をかけられるようになりました。
導入・活用検討チーム 大角氏:
temiの設定を担当しています。iPresenceの方々が非常にサポートしてくださるので、とても助かりました。temiには、アイデアを具体化するための機能が色々と備わっており、あとは活用の仕方を考えるだけなので、私は楽しく進められました。
導入・活用検討チーム 黒崎氏:
対面で行う小規模な打合せ(2~4人程度)であれば、temiのテレプレゼンス※機能(ビデオチャット+リモートコントロール)を活用することで、temiを通じて遠隔地にいながらもその場にいるような感覚で打合せに参加できます。temiでの画面共有がさらにスムーズに行うことができれば、この機能を最大限に活用することができると感じています。
※遠隔地にいながら、対面で同じ空間を共有しているかのような臨場感を味わえる技術の総称。
まとめ
temi V3が「ロボットと共に働く未来への一歩」として活躍できていることが知れたインタビューとなりました。ロボットに対する社内の意識改革が促進され、従業員同士のコミュニケーションも活性化しているというコメントもあり嬉しく思います。今後の展望として「さらなる活用の幅を広げるための仕組みづくりを目指す」と仰っていただいております。引き続き弊社iPresenceも伴走サポートさせて頂き、更なる活用を実現支援できれば幸いです。