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iPresenceサービス開発担当者にインタビュー「テレロボ学校参加サービス」って何?│病室から教室を繋ぎ主体性のある学校生活参加を提供

サービス開発担当者にインタビュー「テレロボ学校参加サービス」って何?│病室から教室を繋ぎ主体性のある学校生活参加を提供

テレプレゼンスアバターロボット(以下テレロボ)のハード&ソフトウェアを開発しているiPresenceが、複数の事業者とタッグを組んで提供している「テレロボ学校参加サービス」。
一体どのような取り組みをしているか、どんな方が支援しているか、導入するまでのプロセスなど気になることがたくさんあります。
今回はiPresenceのライター(記事作成担当)「りっき」がテレロボ学校参加サービスについて気になることを、サービス開発担当の丸山にインタビューしました。
導入事例が全国に広がっていますが、まだ周知が行き届いていない現状があります。特に学校や病院関係者が知るきっかけになれば幸いです。
(写真左:丸山、写真右:りっき)

テレロボ学校参加サービスって何?│学校生活の空間に参加すること

りっき:
丸山さん、今日はインタビューよろしくお願いします!

丸山:
はい、よろしくお願いします。

りっき:
では初めに、iPresenceが企画している「テレロボ学校生活参加サービス」とはどういったものですか。概要を教えてください。

丸山:
わかりました。
概要としては、長期の病気療養などで、学校に行きたいと思っていても行けないお子さんが、テレプレゼンスアバターロボットを使って、病院や自宅など、学校ではない遠隔地から学校生活に参加することができるサービスです。

テレロボ学校参加 とは
https://teleroboschool.com/

ポイントとしては、遠隔の授業ではなくて「学校生活参加」という言葉です。

コロナ禍の影響もあって、遠隔から授業配信があったり授業を受ける手段はすごく増えました。でも単に授業を受けるだけであれば、配信を見ればいいわけで、配信授業だけではなく学校生活にある休み時間とかお友達とのやりとり「わいわいがやがや」や学校の中のイベントだとか、学校生活にあるモノやコト、その空間に参加するというのが大きなポイントかなと思います。

りっき:
なるほど。定点カメラの授業配信や収録動画を見るのではなく、生徒が遠隔から見たいところを見たり、行きたいところに自由に移動できたりといったことが、iPresenceが関わることで可能になるということですね。

丸山:
そうですね。授業配信は授業配信で価値あるものだと思うんですけど、我々が重きを置いているのは勉強だけではない、学校生活のなかにあるモノに参加してもらうことかなと思います。

りっき:
これまでは学校に行けない子供たちが、授業以外の学校生活に参加するのは難しかったと思います。kubiやtemiが学校で活躍している映像を見ると、時代が進んでいるなと感じることができます。僕も丸山さんも小さい子供がいる親ですから、あったら安心できるサービスですね。

丸山:
本当にそうですね。

テレロボ学校参加サービスはどこで運用されているの?│北は北海道、南は沖縄!?

左:クリス、右:テレロボ temi

右:テレロボ temi

りっき:
では現時点で、テレロボ学校生活参加サービスは、どこの地域や自治体で運用されていますか。

丸山:
はい。我々は神戸の企業で、2020年度から継続して毎年、大学の研究室とも連携しながら実証実験を重ねてきたこともあり、近畿圏の学校での運用事例を非常に多く持っています。
その実績を認めてもらって、大阪府ではガンで療養中のお子さんが、遠隔から学校生活に参加する機器の導入を病院の機器導入時の補助金対象にしてくれたたという事例もあります。
北は北海道、南は沖縄まで、利用されている都道府県がかなり増えてきているように思えます。自治体でというより学校単位というのが多いですね。

りっき:
割合的には私立学校の方が多いですか。イメージ的に公立の学校のほうが導入のハードルが高いと感じてしまいます。

丸山:
難しいのはどちらも一緒で(笑)、公立学校も徐々に増えてきていますよ。

りっき:
北は北海道、南は沖縄ってそんなに広がっているんですね。

丸山:
全部の自治体の名前を出すと時間が足りないので、そう言ってます。
全ての都道府県に旗が立ってるわけではないですが、徐々に埋まってきているなという肌感覚はあります。

りっき:
テレロボを神戸本社や東京支店から遠い自治体に導入するとき、現地サポートなど大変ですよね。何度も足を運ばなければいけないんじゃないですか。

丸山:
営業所から近いところは現地に行くんですけど、遠い場所は遠隔でも対応可能ですね。

りっき:
フル遠隔サポートで導入から運用までするケースもあるということですね。

丸山:
そういうことですね。

りっき:
なるほど、それで全国いたるところに導入実績を広げることができているんですね。

テレロボを学校や病院に導入するまでのプロセスは?│導入までの多くの壁!

左:クリス、右:テレロボ temi

りっき:
学校の教育現場にテレロボを導入するまでには、各機関の許可など、障壁があって大変なことも多いと思います。実際に導入に至るまでのプロセスを教えてください。

丸山:
はい、そうですね。

現在も日々壁にはぶつかっているんですけど、一番大きいのは「前籍校」(もともと通っていた学校)の理解を得ることが一番難しいです。
先生も1クラス30~35人くらいの生徒を抱えていて、その生徒だけではなくて、他の生徒のケアをしなければいけないとても忙しいなかで「その生徒一人だけ特別扱いで機材を入れるのはいかなるものか」とかですね。

あとはビデオチャットで教室側の映像が流れるので「個人情報の取扱いの問題はどうなんだ」とか「授業の内容が外に配信されちゃうんじゃないか」というような情報管理の観点だとか。
また「そもそもロボットなんて」といったIT拒絶の先生とかたくさん壁はあります。

前籍校の場合の最終決定者はだいたい校長先生なので、校長先生が「そもそもICT機器についてどういうお考えを持っているのか」「どの程度理解があるのか」というのも大きいかなと思います。

なので一番大きいのはお子さんが所属している学校側の「機材を置かせてください」「接続サポートをしてください」という依頼が一番大変かなと思います。

もう一つは通信の問題ですね。
いまいまだと入院中、闘病中のお子さんが利用しているケースが多いんですけど、病院ってすごい頑丈な造りなので、インターネット環境がそもそも良くなくて、せっかく繋がっても画像が乱れてしまったりとか、音声の遅延が発生したりということがあってなかなか快適な通信環境がないのが問題かなと思います。

とはいえ、コロナの影響で学校側では小中学生は一人一台PCを付与するというので、そのためのWi-Fi環境の準備が進みました。しかし学校のものはセキュリティーが厳しくて、iPadはあるけど我々が用意しているアプリをダウンロードできなかったり、iPadにダウンロードはしたけれども学校Wi-Fiを使えなかったりというような問題があります。

そういったものを試すのは学校の許可が得られてからなので、それを繋ぐために都道府県の教育委員会のICT担当者や、通信設備担当の会社の方と話をするんですけど、やっぱり一人の生徒のためにその自治体全部の安全基準は変えられないというような理由で公立の学校はなかなか変えてもらえないことが多いかなと思います。

この点に関しては私学は柔軟かなと思いますね。学校単位で意思決定ができるので。

りっき:
導入までには数々の障壁があって簡単なプロセスではないというのがわかりました。特に公立校では自治体全体で不平等性があったら良くないというロジックがありますからね。

大変ですけど、丸山さんには頑張っていただきたいと思います!

丸山:
ありがとうございます(笑)

テレロボ学校生活参加サービスを支援してくれる団体は?│力強い味方!

テレロボ kubiで友達と会話している様子

テレロボ kubiで友達と会話している様子

りっき:
このサービスを支援してくれる団体や機関はありますか。

丸山:
はい。この取り組みに共感してくれてる患者さんのサポートをする団体や、病気をもったお子さんへのサポートに熱心なソーシャルワーカーの方などが応援してくれています。

先ほどもお伝えした通り導入まで一筋縄ではいかないことが非常に多いので、協力してくれる方々は本当に大切なパートナーであり戦友のような存在です。

りっき:
今までになかった取り組みをしていくなかで、たくさんの障壁に立ち向かうには一つの企業の力だけでは難しい部分がありますよね。

丸山:
そうです。子供だけではなくて学校・クラスメイト・保護者・ 先生、病院にいる子であればドクターやソーシャルワーカーというような感じで、一つの接続を実現するにも登場人物は結構多いです。

なのでいろいろなパートナーや理解者が必要だと思っています。

りっき:
そのパートナーとしてJKAさんの補助事業が関わっているそうですが、結びついた経緯を教えてください。

丸山:
我々がこの事業を実行できているのは「公益財団法人JKA」の社会貢献事業として大きな予算がついていて、その資金を使用できているからなんです。社会貢献事業の資金は競輪・オートレースの売上金の一部で、社会的課題の解決に取り組む活動を支援することに使われています。

そして、JKAさんの社会貢献事業の一つとして採用されたテレロボ学校生活参加サービスを直接委託されているのが「一般財団法人ニューメディア開発協会」で、iPresenceはその再委託先になります。2020年度からスタートして、同じ座組で毎年継続しています。

ニューメディア開発協会さんは新しい技術の普及を掲げている団体で、初代理事長がパナソニックの創業者の松下幸之助さんです。

iPresenceとニューメディア開発協会の共同事業 紹介記事
病室からアバターで学校生活 (jstories.media)

りっき:
なるほど。じゃあiPresenceだけでは実際に病院と学校を繋げるこの事業は実現しなかったと考えていいですか。

丸山:
そうですね。実証実験や導入を重ねて理解を得るなかで機材や通信環境を準備するにはどうしてもお金がいるので、我々だけで実現するのは難しかったと思います。

りっき:
たしかに資金面でも難しい部分がありますよね。
この事業はいいパートナーに恵まれて良かったです。

丸山:
そうですね。
あとiPresence代表のクリストファーズが病弱や様々な理由で学校へ行けない子供に対して「テレロボを使ってサポートしたい」という想いを元々持っていたと聞いています。

なので降って湧いたから始まった事業ではなく、クリストファーズの想いとうまくマッチしたからスタートしたのかなと私は捉えています。
りっき:
もともとそういう理念があったから、こうやって学校や医療現場にサービスを届けることが実現できているということですね。

テレロボ導入後の生徒や関係者の声│導入して良かったこと

保健室から授業を受けている様子(イメージ)

保健室から授業を受けている様子(イメージ)

りっき:
では次の質問です。
これまで遠隔で授業を受けられなかった生徒や、従来のオンライン授業に不便さを感じていた生徒からは、テレロボ導入後にどういった声を聞いていますか。
その保護者や病院関係者の声もあれば教えてください。

丸山:
はい。
生徒についてはテレロボを使った人がみんな言うことなんですけど、操作権というか「決める権利が自分にある」「自分で見たい場所を見られるのがいい」というのは必ずみなさんおっしゃいます。

オンライン授業配信が始まって以降、先生方は頑張って黒板の全体が見える場所にPCを置いているんですけど、そこからちょっと外れていたり、何か音がしてパッと横を向いたり、目線を変えるという、リアルであれば自然にする動作を設置されたPCだとできないんですね。

kubiであれば相手側の手を煩わせることなく、それができるのがいいと聞きます。

最初のうちは「こっちが見たいよ」とか「ちょっと動かして」とか言うのかもしれないですけど、だんだん相手に気を使って「もうこれでいいや!」みたいな受動的な受け方になってしまうのかなと思っていて、それを自分の目線を動かすように動かすことができるのがいいと言う風に聞いています。

昨年度の実証実験で何件かあったのは、長期でお休みしていたお子さんが復学する前に利用するということをしたんですけど、当初復学するのが億劫だったのが事前に何回か繋いでおくことで、学校に戻るときに前向きになれたという話を聞いています。

長期で学校を休んだお子さんは復学後に不登校になる傾向も割と高いみたいで、その辺の精神的補助ができたのかなと思います。

また、病院関係者から聞いた良い話で、入院期間中は薬の副作用によって生活リズムがすごく乱れてしまうらしいんですね。夜中にもうろうとして目が覚めてしまって、朝起きれないみたいな子供が多いらしいんですけど、ある高校生はテレロボで繋ぐってわかっている日については朝ちゃんと起きて身だしなみを整えてっていう、当たり前の生活リズムをその時だけはできていたからすごい良かったっておっしゃっていました。

遠隔操作用アプリのスタンプで意思表示

遠隔操作用アプリのスタンプで意思表示

保護者については、保護者自身も学校とのつながりが途絶えていることに対してすごい不安を感じられているので、テレロボを通じてお子さんがiPadから教室側とやりとりしているのを見られるとすごく安心するそうです。

小学校のお子さんであれば「教室はこんな感じなんだな」とか「授業はひらがなをやっているんだな」って授業の進度を把握できたり。中学生のお子さんであれば休み時間に友だちのチャットのコメントを見てクスって笑っているのを見たりして「あ、友だちとやりとりちゃんとやってるんだな」ってホッとしたとか、そういう話を聞きます。

なので保護者の方にも学校が伝わるというか、”見える”のかなと思いました。

りっき:
チャットができたり向こうの画面が見えたりと、テレロボならではの良さってありますよね。保護者の方も普段見れない子供の友達同士の繋がり合いが見れたりするのはテレロボだからできることですよね。

丸山:
そうですね。特に小学校高学年の6年生で入院しちゃって、そのまま中学校っていうお子さんだと、保護者の方も中学校に行ったことが無いなかで「どんな所なのかしら」といった心配があるらしく、学校と繋がっている様子を垣間見れるのは嬉しいと聞きますね。

さっき登場人物が多いって言ったんですけど、生徒だけじゃなく関係者がいろいろ関わっているので、みんなに対して良い影響があるんだなと思います。

りっき:
そういったテレロボを使っている本人や関係者の現場の生の声が聞けてよかったです。

テレロボが設置されてのネガティブな意見は?│生徒の受け入れは早かった


りっき:
いい声もたくさんあると思いますが、テレロボが急に現場に入ってきて周りの戸惑いとかはありませんか。違和感を感じたりする生徒もいたりしませんか。

丸山:
導入するまではめちゃめちゃ大変なんですけど、入ってしまうと意外とネガティブな意見や効果といったものは我々はほとんど感じていません。
最初ロボットっていうと構えられちゃうんですけど、実際に設置すると「普通にそこにあるもの」として受け入れられているように思います。

先生も最初は「大丈夫かしら」と言っていても運用が始まると、夜ちゃんと充電して朝ちゃんと生徒の席に置いてってすればなんとかなるっていうのをわかってくれるので、うまく進んでるように思います。

実際に生徒達もちゃんと受け入れていて、仲のいい友だちが中高生ですけど移動の時にkubiを持って運んでくれるとか、フォローの姿勢というんですかね、気遣う姿勢が生まれていると思います。

りっき:
今の学生さんはロボやデジタルなどに寛容で受け入れるのが早そうですよね。ひと昔前の感覚とは違うんじゃないかなと感じます。

丸山:
そうです、子供たちは早いですね。使う側も受け入れる側もスッと受け入れます。

りっき:
また病弱な子供がテレロボを介して授業に参加していることで、みんな助け合ったりしている。そういった「道徳心の醸成」という心の成長にも役立っていると思います。

丸山:
私もそう思います。

支援の手を待っている生徒達にiPresenceができること│まずは知ってもらう


りっき:
ただ、導入できている学校は限られるので、支援の手を待っている生徒も多いと思います。教室で教育が受けられない全ての生徒のために、iPresenceができること、やっていきたいことは何ですか。

丸山:
まずはこういう手段があるということを知ってもらうことかなと。
必要な人に対して知ってもらう・周知することかなと思います。
ありがたいことに利用実績は増えていますけども、本当に必要なお子さんに対してのこういう手段があるんだよっていうことはおそらく届いていない状況なので知ってもらうことが大事だと思っています。

りっき:
まずは周知からということですね。たしかにテレロボが実際に運用されているということ、またこのようなテレロボという機械があることすら知らない学校関係者や病院関係者がいるはずです。まずは情報を発信して多くの人の目や耳に触れさせることが肝心ですね。

周知ができて、実際に求められたらすぐ導入から運用するまでの体制を、iPresenceは整えられていると考えていいのでしょうか。

丸山:
正直、まだ整いきっておらず、そこも課題ですね。
入院しているお子さんがいたらすぐに提供できるということって、すごく大事だと思います。

特に闘病中のお子さんがいらっしゃるご家庭は治療や家族が面会に行くための交通費などにすごいお金がかかっているので、必要なタイミングで必要なお子さんに届けられるように、個人とか学校単位ではなくて自治体単位でこういった学習方法を認めて機器を保有しておいてほしいなと思いますね。

りっき:
スピード感は自治体によって変わってくるでしょうしね。
今欲しいっていう時に、結局導入が数年後みたいなことになったらあまり意味がないと思います。

丸山:
そうですね、全く意味がないです。
そのお子さんには提供できないことになってしまいますから。

りっき:
導入スピードが遅くなると、機器が使えなくてクラスメイトと関わる機会を失って寂しい思いをする子供はどうしても生まれてしまいますね。

知っているだけで導入のスピート感は変わってくると思うので、僕もiPresenceのライターとして広報・周知活動をもっと頑張っていきます。

丸山:
ありがとうございます。草の根運動をお願いしますね。

学校や病院でテレロボの導入を検討している方へのメッセージ│まずは試してみて


りっき:
最後になりますが、学校や病院でテレロボを導入を検討している方に向けてメッセージをお願いします。

丸山:
まずはあれこれ考えずに「とにかく使ってみてください」っていうのは言いたいところですね。

最初「あれはどうなんだ」「これはどうなんだ」みたいな話が出るんですけど、先ほども伝えたとおり意外と使ってみるとうまくいくケースを我々はよく見ているので、使ってみたらその良さをわかってもらえるのかなと思います。

とはいえ本当に個人とか学校単位での手配は難しい部分があると思うので、自治体で数台保有いただくとか。あとは社会貢献事業として機器の保有資金支援や周知や導入促進の資金支援をしてくださるようなスポンサー企業が出てくるといいなと思います。

りっき:
なるほど、まずはあれこれ考えずに使ってみてと。
遠隔での操作体験は随時受け付けているんですよね。それで特に料金が発生することはありませんか。

丸山:
オンラインでの操作体験は可能です。料金はかからず、無料で試して頂けます。

りっき:
じゃあ気になっている方はiPresenceに相談しやすいですね。
これからテレロボ学校生活参加サービスのことが広く周知されることと、支援してくれる団体や企業がもっと増えていくことで、さらに救いの手を差し伸べられる子供が増えていくと思います。

テレロボ学校生活参加サービスのソリューションは病弱児だけではない│さらに広がる可能性を秘めている

りっき:
僕も親として学校に関わる身ですので、現代の教育や子供の心の問題に直面することがあります。病気ではないが「何らかの理由で学校に登校できない」「授業は受けたいけど教室に入れない」などといった目に見えづらい問題を抱えた子供がいます。
この企画がそういった子供の救いの手だてにもなり得るんじゃないかなと思っています。

丸山:
そういった子供への導入事例もありまして、高校なんですけど、行きたいけど学校へ行けない、教室に行きたいけど保健室までしか行けないといったケースですね。その高校の先生と話したら、対象の生徒は遠隔で授業を受けた次の年からは普通に教室に通えるようになったそうです。

実際、病弱児より何らかの事情で学校に行けないといった子供のほうが多く、社会問題にもなっています。この一つの成功事例からも学校でのテレロボの使い方の幅が広がっていくと思います。

りっき:
救いを求める子供の助けになるようにテレロボの普及が広がればいいんですが、日本の学校教育現場では障壁が多くて簡単に進まないでしょうね。先生はやっぱり教室に来てほしいというのと、学校は一部の生徒のために高価な機材を導入できないという問題もあります。

iPadやPCが小中学校の生徒に配られましたが、教育現場で効率的に使われていないという現状が見受けられます。

丸山:
学習方法は多様な形があって良くて、今後一方向の授業であれば先生じゃなくてYouTubeでもいいわけじゃないですか。子供にとっては反復学習できるし。

学校だからできることってインタラクティブなところで友だちとのコミュケーションとか双方にやりとりがあること。それが学校に行く価値かなと私は思っていて、テレロボで実現できるのはその部分かなと思います。

黒板が見えるに越したことはないですけど、その空間をちゃんと体感して双方向でやりとりができるっていうのがポイントかなと思っています。

最近思ったことがあって、長期入院している子供の最後の運動会をkubiを使ってサポートしたときのことなんですけど、やっぱり子供の居場所は病院じゃなくて学校なんだなって。

入院しているから院内学級に転校していて その学校に籍はないんですけど、kubiで繋がることで本人も友だちもうれしそうにしているのを見て感じました。

テレロボ学校っていうのは”繋ぐ”っていうことをするんですけど 学校に行けない子供にとっての居場所を守っていくことなんだなって感じました。

りっき:
そういった心温まるシーンを見ることで、このサービスの社会的意義を感じることができますね。
これからも人と人や人と空間を繋ぐテレロボ学校参加サービスを多くの人や場所に届けていきたいですね。

本日はインタビューありがとうございました。

丸山:
はい、ありがとうございました。

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【執筆者プロフィール】
iPresenceライター:りっき
iPresenceライター:りっき
自身のブログでテレロボ「Telepii」を紹介したのをきっかけにiPresenceとのつながりを持つ。
ロボットとソフトウェア開発で「まるでそこにいる」というリモートエクスペリエンスを届けるソリューションに共感し、iPresenceのライターに。(カメラマンも兼任)
Webライター&フォトグラファー/子供3人の父/温泉の街でひっそりと田舎暮らし

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