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iPresence【 temi ×クリエイターTOCHKA】美術展(ミュージアム)を成功させるtemiの3つの活用法 / 星の王子さまをさがして~ARで楽しむ体験型美術展~

【 temi ×クリエイターTOCHKA】美術展(ミュージアム)を成功させるtemiの3つの活用法 / 星の王子さまをさがして~ARで楽しむ体験型美術展~

美術展「星の王子さまをさがして~ARで楽しむ体験型美術展~」が東大阪市民美術センターで、2023年7月21日~9月3日に開催されました。アーティストユニットTOCHKA(以下トーチカ)が制作した今回の展示は、サン=テグジュペリによる小説「星の王子さま」を舞台に、星の王子さまがこれまでに体験した壮大な旅をAR(拡張展示)技術やtemiを使って、体験できる美術展です。


来場者は入り口をくぐると、星の王子さま*がテレポート(乗り移り)した、テレプレゼンスアバターロボット(以下テレロボ)temiに出迎えられます。小説の物語と同様に、星の王子さまが体験した旅を話してくれる物語の語り手として、また会場内の順路を来場者に案内したり、展示装置であるAR体験をするためにやり方を伝えるナビゲーターとしても活躍しました。
*画面の星の王子さまはトーチカ制作のオリジナル

 

今回で3回目となる「星の王子さま」を題材とした美術展。初回開催時よりテレロボtemiを採用し、開催を重ねるたびにtemiの機能をより使いこなして、展示で活かせるようになった、と語る製作者トーチカのモンノカヅエさん(以下モンノさん)に伺った、美術展を成功に導いたtemi導入の3つのポイント等ご紹介します。

テレプレゼンスアバターロボットを展示に導入する挑戦

モンノさん:「クリエイターとして、10年後の未来はどうなっているのかを想像しながら、その世界を作品の表現に取り入れるようにしています。そう思った時にロボットは社会の中で私たちを手助けしているイメージを持ち、展示にロボット(テレロボ)を導入する挑戦をすることにしました。また制作を開始した時は、コロナ禍で自分自身の旅行をしたいという気持ちも相まって、子供達に向けて非日常の空間で、宇宙旅行できたような気分になれる作品を作りたい、最終的に星の王子さまの世界を表現したいということで制作が決まりました。」

iPresenceの担当者によるサポートが、3回目の継続利用の決め手

モンノさん:「最初の頃はネット上で様々なロボットを調べていたのですが、iPresenceさんのロボットの展示で実際に見る機会があって、実際に自分の目で見て確認できたということが導入のポイントでした。また来場者とコミュニケーションをするロボットという点でtemiを見たときに、これがいいと感じました。ロボットの知識に関しては素人であった私たちに、しっかりと会期前後でiPresenceの担当者の方がサポートしてくださったことが、初回に引き続きtemiを美術展で採用した理由です。」

 

美術展を成功させる、TOCHKA・モンノさん流 temiの3つの活用法

1 来場者全員が展示を楽しめるように、temiによる展示装置利用説明(AR)

モンノさん「実は体験型アートというのは、参加する本人に求められるハードルが高く、参加するという意識が重要になってきます。その手助けをする存在としてtemiを活用しています。」

会場では、星の王子様の旅に関連した展示物の近くにある、QRコードを読み込むとARアートで更に星の王子さまの世界観を体感することができます。

参加者は自身のスマートフォンやタブレットPCを使用し、カメラからQRコードを読み込んで、Instagram上のARアートを体験してもらう仕組みを構築しました。これは人によっては普段使わないテクノロジーを体験するという、心理的ハードルが非常に大きいものになります。そのためどうやって端末を使って各展示のARを出現させるのか、やり方や注意点をtemi 上でキャラクターが実演誰でも同じ体験ができるように工夫しました。

またスマートフォンやタブレットPCを持っていない人や、Instagramアプリを入れていない人であっても楽しめるように、端末を受付で貸し出すサービスも実施。星の王子様の旅に関連した展示物の近くにある、QRコードを読み込むとARアートで更に星の王子さまの世界観を体感することができます。

 

2 temiに乗り移ったキャラクターが順路案内、”まるで共にいる”体験を 

会場では、星の王子さまが体験した過去の旅を物語に登場する順番通りに体感できるように、展示番号が振られています。ですが、会場内ではtemiに乗り移った星の王子さまが、ナビゲーターとして、各展示物を順番に移動して案内してくれるため、展示会場内で順路に迷うことはありません。さらには、展示から次の展示まで世界観が途切れることなく、星の王子様と一緒に旅をしている気分に参加者をさせてくれます。

 

3 temiが展示品のそばでストーリーを語ることで、さらに世界観に没入

AR技術の試し方の説明や誘導の仕組み等、誰でも美術展会場を楽しめる環境づくりを整えました。そしてメインとなる展示物をより味わうところにも、クリエイターのこだわりが光ります。各展示物を巡る今回の展示では、各作品に文字で埋め尽くされた解説ラベルはありません。その代わり、temiにテレポートした星の王子さまアバターが、展示にまつわるストーリーを朗読してくれます。物語を体感できて、没入感を高める仕掛けとしてtemiが活躍します。

 

テレロボを導入に挑戦してみたら、展示会場の雰囲気が一変!動きのある空間に

モンノさん「一般的に展示会というと、展示物が並べてあってそれを静かに立ち止まって鑑賞するという、緊張感のある”静”のイメージがどうしてもあると思うのですが、temiを導入することで、展示会場の雰囲気が一気に”動”へと変わりました。temiV3が会場内で常に動き回って、声を出しているので、参加者の感情や反応をその場で引き出します。子供達は、temiを追いかけたり歓声をあげるなど、(ロボットに対する)価値観が変わったように感じます。 」

テクノロジーを使うのは難しくなれるまで大変ですが、そこを知って壁を乗り越えれば、もっと楽しい世界が広がっているということを感じてほしいと思っていますと、子供達への想いを語ってくれたモンノさんでした。

モンノさん、インタビューのお時間ありがとうございました!

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■TOCHKA(トーチカ) プロフィール  ナガタタケシ(大阪電気通信大学准教授)とモンノカヅエによる、京都を拠点に活動する アーティストユニット。1998年より「トーチカ」としての活動を開始。2005年より長時 間露光写真とストップモーションアニメーションの手法を組み合わせ、ライトを使って空 中に線を描くことでアニメーションを作り出す「PiKAPiKA」という手法でアニメーショ ン制作を続けている。近年は、実験的なインタラクティブ映像の開発による、鑑賞者と映 像とのかかわり方についての研究なども行っている。

■美術展「星の王子さまをさがして~ARで楽しむ体験型美術展~」 【会期】2023年7月21日(金)~9月3日(日) 【会場】東大阪市民美術センター 第1 ・2・3展示室、特別室、1 階常設スペース 【主催】東大阪市民美術センター(指定管理者 東大阪花園活性化マネジメント共同体 HOS株式会社) 【協力】iPresence合同会社、大阪電気通信大学、東北芸術工科大学アイハラ研究室、 halken LLP、KUSUNOKI WORKS、東大阪市立花園図書館

■東大阪市民美術センター 【公式HP】https://hos-higashiosaka-art.com/

■星の王子さまとは:主人公のパイロットが、機体の故障でサハラ砂漠に不時着します。そこで麦色の髪をした王子様「星の王子さま」と出会います。王子さまが主人公に向かってこれまでの旅の出来事を話し始める、二人の出会いと別れの物語
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